こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

愛を読む人 The Reader

Posted on: 2009/08/28

ドイツ人作家ベルンハルト・シュリンクの書いた小説「朗読者」を読みました。セックス、愛、戦後ドイツの不名誉などに触れた短くも豊かな物語です。 第81回アカデミー賞でケイト・ウィンスレットが主演女優賞を受賞したことでも話題になりました。

法学生である主人公は、傍聴した裁判で、自分が昔愛した女性が戦時中の罪を問われている姿を目撃することになります。

かつて女性に特別な思いを寄せていた自分から、今はただの傍観者となった自分へ。裁判の間、彼女を見つめる彼は、居心地のよい距離がつかめません。あの若い頃の思いは消えないのに、時間だけが過ぎていったことを悟り、複雑な思いにとらわれるのです。

ナチスドイツのホロコースト(大量虐殺)が背景になっていますが、私自身はそこにあまり重きを置いては読みませんでした。それよりも、苦難の時代を通り過ぎてきた一人の人間の哀しい生き方、そして時代がまた変わった後に生まれた者が、それをどう受け止めたらよいか分からず、自らも哀しみを抱えることになる人間の様子に強く引きつけられました。

読後、静かな哀しみで心がいっぱいになります。それでも、誰かと触れ合っていたいという思いが同時に波のごとく押し寄せてきました。(家出娘)

ベルンハルト・シュリンク
http://ja.wikipedia.org/wiki/ベルンハルト・シュリンク

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