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タレガが感じた「アルハンブラの思い出」とは何か Memories of the Alhambra

Posted on: 2010/02/23

「アルハンブラの思い出」というクラシック・ギターの名曲がある。その曲名を聞いただけで、思わずトレモロを伴ったメロディーが頭の中をよぎるのは、それだけ印象深いからであろう。アルハンブラとはもちろんスペインのグラナダにある宮殿のことだが、いったい「思い出」というのは、どんな意味があるのだろうか。

イベリア半島南部アンダルシア地方は、8世紀から15世紀にかけてイスラム人によって支配され、アルハンブラ宮殿は13、14世紀、グラナダを都としたナスル王朝の時代に造られた。小高い丘の上にある宮殿の名は、アラビア語の「アル・ハムラー(赤いもの)」に由来し、赤い城砦を意味するという。
その名の通り全体的に褐色かかった宮殿は、夜間にライトアップされると、ヨーロッパで普通に見られる城砦とはまた一味違った、幻想的な雰囲気をかもし出す。私も深夜に、対岸の丘に浮き上がった宮殿を見たとき、旅の疲れが吹き飛んだ。

キリスト教徒の逆襲であるレコンキスタで、イスラム教徒がイベリア半島から駆逐されると、この建物にもヨーロッパ風の手が加わる。モスクは教会に変わり、礼拝堂や修道院も新たに造られた。このため、アルハンブラ宮殿が一段と魅力的なのは、ヨーロッパ調とアラビア風という異文化の融合にあるからかも知れない。

「アルハンブラの思い出」を作曲したフランシスコ・タレガは19世紀後半の人だから、もちろん魅せられたのはライトアップされた風景などではない。実は、宮殿内パティオ(中庭)にあるライオンの噴水を気に止めたようだ。溢れ出る水を見て、彼はトレモロをイメージし、作曲への意欲をかき立てたといわれる。

では、タレガが言う思い出とは何だろう。これに対する明確な答えはない。察するに、「思い出」というよりむしろ「思い」ではなかろうか。宮殿、その周辺風景の美しさのみならず、この宮殿が持つ歴史的な重みなどすべてに感動して、すばらしいメロディーに「思い出」と名付けたに違いない。(日暮らし)
 

http://www.suerton.com/essay/essey%20no.2/no2-2.html

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