こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

Archive for May 2010

基尺というのをご存知だろうか。「正立方体」の一辺の長さのことで、積み木遊びには欠かせない単位だ。たとえば、基尺が4cmの積み木なら、立方体を2つ重ねれば8cm。直方体の積み木も4×4×8でできているから、同じ高さになり、子どもはさらに積み木を重ねることができる。立方体を2つ重ねれば直方体だが、8つ使えば大きな立方体に。積み木で遊びながら、子どもは様々な法則を学んでいく。

積み木は幼児教育の祖といわれるドイツのフリードリッヒ・フレーベル(Friedrich Wilhelm August Fröbel)氏が作ったといわれている。氏いわく、遊びの中で、興味をもったものを正しく理解し、自由に表現するためには、形や色や数のことを正しく認識させなければならない。基尺が揃っているからこそ、子どもは形や数を正しく認識し、積み木を使って自由に遊べるのだ。

ヨーロッパには多くの玩具メーカーがあるが、各社基尺にこだわって積み木を作っている。スイスのネフ社(Naef)もそのひとつ。デザイン性の高い積み木で知られているが、そのほとんどが2.5cmの基尺で作られていることはあまり知られていない。基尺が同じだからこそ、さまざまな造形をした美しい積み木を組み合わせて遊ぶことが可能となる。日本人デザイナーによる作品もあり、子どもはもとより大人の創造力をも満足させてくれる。(酒バラ)

ネフ社のホームページ
http://www.naefspiele.ch/

EU日本政府代表部の植田隆子大使による講演を、国際問題研究所で聴きました。大使は、欧州の安全保障の専門家であり、現在はブリュッセル外交の現場からEUの政治・外交を見ていらっしゃいます。EUの対外政策については、以下のような内容でお話をされました。

リスボン条約が2009年12月に発効し、EUは新たな体制で動き出した。ファン=ロンパイ欧州理事会常任議長、アシュトン上級代表(外務トップ)が就任して初めての域外国との首脳会議は、2010年4月28日の日本とのサミットだった。

EUは今、加盟国共通の立場で発言して国際社会でのプレゼンスを高め、対主要国外交を強化しようとしている。インドや中国など新興国が経済的な台頭を見せ、先進国は経済的、政治的な影響力を低下しつつある。しかしEUとしては、世界は懸念されるように米中のG2体制に向かうことはないと考えるし、国連やNATOといった国際機関とうまく連携して効果的なマルチラテラリズム(多国間体制)を築いていきたいと思っている。

ファン=ロンパイ議長は、80~90年代の貿易摩擦から始まった日EU間の経済関係の改善のみならず、官僚による各分野の実務対話にとどまらない、政治家同士による政治レベルでの関係に重みを持たせたいと考え、来日した。

1991年のハーグ宣言は、日米欧(EU)三極の全体の安定には、日欧関係の強化が重要であるとして提案された。当時は政治的な関心が低く発展することがなかったが、今年また、日本は主要戦略パートナーの一国としてEUから再発見されつつある。

大使のお話を聞いて、日本も、日米関係以外にもバランスよく気を配り、国際社会全体の中での立ち位置に目を向けて欲しいと思いました。                    (みかん)

植田大使紹介資料集
ブリュッセルで評判を呼んでいるEU米国関係論(環大西洋関係)
By Nick Witney (英国国防省出身)and Jeremy Shapiro (the Brookings Institution)
Towards a post-American Europe: A Power Audit of EU-US Relations

http://ecfr.eu/content/entry/towards_a_post-american_europe_a_power_audit_of_eu-us_relations_shapir/

ハーグにおける共同宣言
http://www.deljpn.ec.europa.eu/relation/showpage_jp_relations.political.hague.php

小和田恒氏によるハーグ宣言見直しの提言(2001年)
The Japan-EU joint declaration and its significance towards the future
Studia Diplomatica, Vol. LV: 2002, n°1-2: Japan – EU cooperation: ten years after the Hague Declaration (Under de direction of Takako Ueta and Éric Remacle)

http://www.egmontinstitute.be/FR/SD-2000-2002.html

ファン・ロンパイ常任議長による2010年2月25日、欧州大学院College of Europe(ベルギー・ブルージュにある官僚養成機関)での政策演説では、EUの世界観、外交方針が述べられた
‘Europe’s role and place in the world’

http://www.coleurope.eu/news/1980

 幼いころに読んだ絵本は大人になっても覚えているものです。「うさこちゃ
ん」「ミッフィー」の名前でお馴染の絵本シリーズがオランダで誕生して、今年で55年を迎えました。この記念すべき今年、「ゴーゴー・ミッフィー展」が全国で展開されています。

 展覧会では、初期の代表作『うさこちゃんとうみ』(1963年)から最新作『うさこちゃんのおじいちゃんへのおくりもの』(2009年)などの8作品の原画やスケッチを200点以上が日本初公開として展示されています。ちなみにこの最新作は1953年の1作目から数えてちょうど120冊目にあたります。

 作者のディック・ブルーナさんは82歳ですが、現在も創作を続けています。
絵本といっても内容は深いものがあります。最近では、ミッフィーの大好きなおばあちゃんが亡くなることを題材にした作品『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』を発表して、身近な人の死をテーマにしています。また『うさこちゃんときゃらめる』では、ミッフィーがお店のお菓子をそっと持ち出してしまいますが、翌日、お母さんとお店に謝りに行くという内容。ミッフィーが成長していく様が絵本を通して感じられますね。(モコちゃん)

ゴーゴー・ミッフィー展
http://www.asahi.com/event/miffy/#

福音館書店
http://www.fukuinkan.co.jp/campaign/55usako/

あまり知られていないかもしれないのですが、スウェーデンはマッチの製造大国で、今日、世界のマッチの3分の1を供給しています。ストックホルムから南東に位置する町イェンシェピングには、世界で唯一の“マッチ博物館”があります。

マッチ産業の初期時代、イギリス人が摩擦マッチを発明しましたが、発火しやすいことが火災原因にもなっていました。そこで、1855年、イェンシェピング社のジョアン・ルンドストレームが現在のマッチ形式、すなわち、マッチの軸と箱の側面に薬品を分けている分離発火型のマッチを開発しました。発火剤と燃焼剤が分離されているので安全性が高くなったのが特徴です。マッチ博物館は、イェンシェピングに建てられたかつての工場跡の敷地内にあります。

その後、スウェーデン・マッチ社が、今では定型になっている“箱に50本入り”のアイデアを考え出し、工場でのオートメーション製造を可能にしました。それから、1900年代前半からスェーデンが半世紀近く世界のマッチ市場を独占。今日も、同社のサンマッチはかわいらしい箱のデザインが愛用されていて、売り上げの一部が子どもと高齢者のために使われているそうです。(くるみ)

http://www.match.or.jp/column/column05.html

http://www.jtnet.ad.jp/WWW/JT/Culture/museum/tokubetu/eventSep/matchshoshi.html

日本とEUの貿易投資を促進するために毎年開催されている「EU Gateway Programme」。

その医療ヘルスケア製品・技術の展示商談会(5月18日~19日、ヒルトン東京)で、実にユニークな車椅子を見つけた。身体障害者や高齢者がマリンレジャーを楽しむために開発されたもので、その名も、J.O.B.(Joy on the Beach)! 一見、砂浜のデッキチェアーに車輪を付けただけのような印象だが、これが実に画期的な車椅子なのだ。

なぜ画期的かと言うと、J.O.B.に乗ると砂の上でもスムーズに移動でき、そのまま海に入ることもできるからだ。車椅子で砂浜に行ったことがある人なら分かると思うが、砂の上で移動するのはとても骨が折れる。自動車を例にすると、砂地を動きまわるためには四輪駆動でパワフルなエンジンが必要となってくる。そうした車椅子を作るにはコストがかかるし、重量もかさむ。そんな重戦車のような車椅子では到底海に入ることもできない。そこで考案されたのが、合成素材やグラファイトを用いた車輪とハブ。詳しいことは企業秘密ということで教えてくれなかったが、この車輪なら砂浜を自由自在に動くことができるというのだ。

「僕たちが参考にしたのは、駱駝の足の裏だったんだよ」と、J.O.B.を開発したイタリアの二―アテック.IT社のCEOジェセフ・グロッソさん。「駱駝は砂漠でも沈みこまないで歩いていけるでしょ。あれはね、足の裏が体の重さを上手に拡散するようになっているからなんだ。そうした生物学的な研究をもとに、構造力学や素材のハイテク技術を融合させることで、J.O.B.は生まれたんだよ」
アルミフレームにナイロン製のキャンバスで作られたこの車椅子の総重量は、10Kg。シンプルな構造だから故障することはまずない。分解して車のトランクに入れることもできる。砂や海水のダメージも受けないからメインテナンスも楽だ。

J.O.B.の湘南デビューもそう遠くない!?(ロニ蔵)

www.neatech.it

先日、某女性誌の雑貨特集を読んでいたら、以前、取材でお世話になったお店が紹介されていました。それは、東京・自由が丘にあるBROCANTE。フランスののみの市で見つけた素敵なアンティークを販売している雑貨店です。

私がお店に行った時はクリスマスの時期だったので、ツリーやリースにアンティークが使われていました。といっても、クリスマス用のデコレーションではなく、鉄製のカギやシャンデリアのパーツ、銀製の燭台などの日用品がさりげなく飾られていたのです。

「アンティークと植物は、とてもよく合うんですよ」

と、お店の女主人。そのほか店内には、ビーズのネックレスがかけられた鉢植えや、レースのリボンで結んだ蔓などもありました。

BROCANTEは主に南仏の田舎で商品を仕入れるので、お店に置いてある品物は豪華なテーブルウエアや家具などではなく、素朴な小物や日用品ばかり。中には「何に使うの?」と思うようなものもあるのですが、本来の用途にとらわれず、自由に楽しめばいいんですよ、とアドバイスしてもらいました。

みなさんも、ヨーロッパに行く機会があったら、ぜひのみの市へ出かけてみてください。観光案内所によっては、無料でタウンペーパーが入手でき、そこで情報を得ることができます。小さな町なら、観光案内所のスタッフがやさしく教えてくれると思います。私は昔、ドイツ・フランクフルト、イタリア・ミラノ、ベルギー・ブリュッセルでのみの市に行きました。(たいら)

BROCANTEのHP
www.brocante-jp.biz/

4月26日、昨年11月に初代欧州理事会常任議長(EU大統領)に就任した、ヘルマン・ファン=ロンパイ元ベルギー首相が来日しました。第19回日・EU首脳協議に出席するためで、鳩山首相と共同記者会見なども行いました。

実は同氏の趣味は俳句。4月には「Haiku」(ポエジーセントルム刊)という名の俳句集も出版したほどの俳句好き。この本には、同氏が詠んだ45句が収録されています。オランダ語で書かれていますが、英語、仏語、独語、ラテン語訳もされているそうです。日本語版も出版が予定されているので、興味がある方は出来上がったら読んでみると良いですね。

ファン=ロンパイ議長は来日前、「日本滞在中にも俳句を作りたい」と意気込んでいたそうですが、神戸大学での講演ではご自分の俳句を披露したり、その後訪れた彦根では、大名庭園から彦根城を眺めながら一句詠んだりと、滞在中にも俳句を楽しまれたようです。EU大統領の趣味が俳句だなんて、日本人としても嬉しいですし、親近感を覚えます。(パクチー)

EU大統領の俳句本出版の記事
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0416&f=national_0416_035.shtml

EUファンロンパイ議長のブログの俳句コーナー(オランダ語のみ)
http://hermanvanrompuy.typepad.com/

欧州代表部のHP
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/2010/100429.html

技術や発明を原動力にすることを目指して、最近、耳にすることが多い特許のニュースですが、特許の起源について思い起こしてみました。世界で初めて特許制度がスタートしたのは、1474年のイタリア ベネチア。ユダヤ教徒やイスラム教徒などと交易が盛んだった海上都市ベネチアは自由な気風を生み出しており、芸術活動も盛んで、印刷機も発達した情報都市でした。レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)がアイデアをノートに書き溜めて非公開にしていた時代風潮の逆発想で、そのアイデアを公開することで権利を保障したのが“ベネチア特許法”です。ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)も灌漑用装置で特許を取得。特許制度を背景に、経済と文化が繁栄しました。

続いてイギリスにおいて、1623年に専売条例という現在の特許制度の基本的な考え方が明確化されて近代の特許制度が発展しました。(飯田幸郷/2003年/英文明細書翻訳の実務/発明協会)これは、技術の保護を目的に、新規事業を始めた人が一定期間、その事業を独占できるものです。ジェームズ・ワットの蒸気機関、アークライトの紡績機などの発明に対して特許が認められ、機械産業が発達していきました。

フランス最初の特許法は1791年、ドイツは1877年(明治10年)です。日本は1885年(明治15年)4月18日に「専売特許条例」が公布され、その記念に、同日は「発明の日」とされています。ルネサンスや産業革命、新政府の始まりなど、時代の幕開けとともに、特許も起動力になってきたのですから、これからの時代も見逃せません。(くるみ)

http://www.oit.ac.jp/ip/property_lab/ishii/data/pdf/09kaki.pdf

http://www.tokugikon.jp/gikonshi/236kiko3.pdf

 ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」冒頭のメロディーを聞いただけで、晴れ晴れとした気分になるという人がいるし、感動で涙がこみ上げてくるという人もいる。それだけ魅力的で、人々に印象的付ける作品となったのは、素晴らしい歌声を持ち、容貌も麗しいヒロインのジュリー・アンドリュースによるところが大であろう。

  この映画は出演者、音楽、ストーリー、そして舞台と背景、どれを取っても完成度が高いが、特に印象的なのは背景に使われたオーストリア・ザルツブルク郊外のザルツカンマーグートの風景。2000メートル級の山々に囲まれ、多くの湖をたたえた素晴らしい保養地だ。「ザルツ」という名の通り、もともとは岩塩の採掘で有名であった。

 
 ジュリー・アンドリュース演じる元修道女の家庭教師マリアとトラップ家の子どもたちが一緒に歌った高原は、ザンクト・ヴォルフガング湖畔から乗る登山電車に中腹にある。小生がこの電車に乗ったとき撮影地はガスの中にあったが、それが却って、彼らの歌声が白い靄の中から聞こえてくるようにも感じられ、新鮮だった。

この映画で多くのシーンに登場するトラップ大佐の家は、湖畔にあるレオポルツクロン城が舞台。子どもたちを乗せたボートが転覆する場面は城の前の湖が使われたが、今は白鳥が泳ぐだけで、子どもたちの喧騒はない。ただ、トラップ大佐一家が暮らしたというイメージが膨らむだけに、この城も妙な懐かしさがこみ上げてくる。

英国人のジュリー・アンドリュースは、幼少のころ4オクターブの声域を持つとして、声楽の英才教育を受けた。ロンドンで子役として活躍したあと、米国に渡り、ブロードウェイで「マ・フェア・レディ」などの主役を張った。順風満帆の人生のように見られるが、両親の離婚、自らの離婚、声帯の腫瘍という病魔を経験するなど、現実は厳しいものがあったようだ。

それだけに、この映画を見るたびに、ジュリーのその後の人生に重ね合わせて、マリアの天真爛漫さや優しさがことさら際立って感じられる。(日暮らし)

http://home.t02.itscom.net/g-fairy/page136.html

http://soundofmusic.sblo.jp/

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9

大前研一氏の書いた『衝撃!EUパワー』(朝日新聞社)という本を読んだ。EUの専門家からすると、大胆すぎる提言もあり眉を顰める人もいるかもしれないが、触発的な指摘に溢れ、EUの全体像を捉えるには最適な書ではないかと僕には思われた。


大前氏は、何よりもEUが武力を行使せずに版図を拡大した点を評価している。ピョートル大帝やアレキサンダー大王は武力で領土を拡大したが、EUは国家間の契約と共通の理念の下で、周辺の国々を融合し、拡張を図ってきた。こうした超国家が誕生したことの効果として、これまで根強かった「国民国家」という概念を希薄化してしまったことを大前氏は挙げる。そしてそれが民族紛争の意味を失わせてしまったというのだ。

例えばアイルランドの武装組織IRA(アイルランド共和軍)の失速は、EUの誕生によってIRAの母体であるアイルランドの人々の気持ちが独立運動から離れていったことによる。「ここはイギリスだ」と言われると、「何言ってんだ。こっちはアイルランド人だ」となる。しかし、「ここはEUだろ」と言われると、「まあ、確かにそうだ」となってくる。アイルランドもEUの一員。イギリスもEUの一員。独立しようがしまいが、どっちにしてもEUなのにといった具合に当事者のパースペクティブが一段高いレベルになると、内戦なんてナンセンスだということになる。それと同じような意識変革が他の国々にも波及し、ヨーロッパでは民族紛争が減少傾向にあると大前氏は分析する。

大前氏の発想が凄いのはその先だ。このEUのコンセプトがアラブ世界でも適用できると考える。AU=アラブ・ユニオンを作って、パレスチナやイスラエルを国家として認める。そしてAUのメンバーに加盟させて、ボーダレスな連邦の一員として共存させることができれば、争う理由がなくなるじゃないかというのだ。

大前氏は、EUのリスクファクターなどを鋭く分析しつつも、EUを人類初の試みとして高く評価し、今後の在り方に大いに期待している。21世紀はアメリカと中国のG2の世紀になると予言する論調が多い中、この著作は斬新な視座を与えてくれるだろう。(ロニ蔵)

http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=10925


自由で活発な発言を歓迎します。

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