こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

Archive for June 21st, 2010

渋谷の美術館で、『ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景 コロー、モネ、シスレーからピカソまで』展が開催されている。展示会名からもわかるように、日本でもよく知られている画家の絵が展示されており、素晴らしい。その他に、ストラスブールを拠点に活動した画家によるアルザス地方の風景が描かれた作品も何点かある。縁があり、ストラスブールに暮らしたことがある私はむしろそれらの風景に見入ってしまった。

アルザスは、フランスの北東部に位置し、ドイツとの国境に南北に細長い形をしている地域。その地理的理由から、独仏抗争で時にはドイツ領になったりフランス領になったりした過去を持つ。ある日本の国語の教科書に、アルフォンス・ドーデ著の『最後の授業』という話が載っている。あの話はアルザスが舞台で、フランス領からドイツ領に変わる前に行われたフランス語での最後の授業のお話だ。

ストラスブールの大聖堂

展示会の絵の中に、ストラスブールの大聖堂とその周辺の様子が描かれた一枚がある。
ストラスブールはアルザス地方の中心都市だが、ライン河からわずか数キロメートル離れたところに位置し、ローマ時代から交通の要所として栄えた歴史ある街だ。市内には、フランスというよりドイツを感じさせる建物が立ち並ぶ。そんな街のシンボルが、高さ142メートルの高さの塔が立つノートルダム大聖堂だ。階段で塔の上まで行くと、内陸側にヴォージュ山脈とドイツ側に黒い森が見渡せる。

展示会の別の絵には、アルザス地方に長く伸びるヴォージュ山脈が描かれていた。
ストラスブールは人口約26万人の文化都市だが、街から車をわずか10分ほど走らせると、見渡す限り青い空とブドウ畑が広がる田園風景となる。この地方は、白ワインの産地としても知られている。ヴォージュ山脈に平行するように、ストラスブールから南に延びる「アルザスワイン街道」と呼ばれる道があり、その街道の途中には、まるでおとぎ話にでてくるようなかわいらしい家が建つ小さな村が点在する。

アルザス地方には、どこを見てもそのまま絵画にできるような美しい風景が広がっている。展示会の絵をみて、ドイツとフランスの国境にある自然豊かな地方のことを思い出した。(パクチー)

Bunkamura HP:
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_10_strasbourg.html

Allaboutアルザスワイン街道
http://allabout.co.jp/travel/travelfrance/closeup/CU20061202A/

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ふらんすと平仮名の誌名が洒落ている。フランスでも、仏蘭西でもない。やはりこの雑誌には、なぜか平仮名がよく似合う。

白水社の発行する『ふらんす』は、今年で創刊85年を迎える超老舗雑誌。1925年に『ラ・スムーズ』(種まく人の意味)としてスタートし、1928年より現在の誌名になった。現在の『ふらんす』の誌面は、「フランス語学習(初級〜上級)」と「フランス語圏文化紹介」の二本柱によって構成されている。A5判で全86ページ(*4月号のみ全124ページCD付)。日本で唯一の月刊フランス語学習誌だ。

編集長の丸山有美さん。

2005年に創刊80周年を記念して、『ふらんす 80年の回想』(白水社)が発行されたが、この本を読むと、『ふらんす』の執筆陣の充実ぶりに驚かされる。与謝野晶子に始まり、堀口大學、河盛好蔵、遠藤周作、渋澤龍彦、吉田秀和、生田耕作、津島祐子、辻邦生、鹿島茂、堀江敏幸など、ちょっと名前を挙げただけでも、う~んと唸ってしまう錚々たる顔ぶれだ。中でも、岸田國士が書いた「翻訳について」という文章が面白かった。特にモオパッサンへの言及が秀逸だ。「モオパッサンは、なんでもないやうで、やつてみると、どうにもならない。日本語にすると、味のつけやうがないのである。物にもよるが、下手をすると、俗つぽくなつて讀めないものになりさうだ。あゝいふことを書いてあれだけの文學になるのは、佛蘭西語の力ではないかと思ふ。しかし、それよりもほんたうは佛蘭西の文化の力である。」さすが、岸田國士だ。フランス文化の本質をずばりと言い当てている。

『ラ・スムーズ』の創刊号

編集長の丸山有美(あみ)さんは、「これからも、フランス語圏文化の多様な魅力を伝えていきたい」と言う。「昨年度はBD(バンド・デシネ)を表紙のテーマに据え、毎号選りすぐりの1冊をご紹介しました。BDとは、フランスやベルギーを中心としたヨーロッパのマンガ文化です。小誌の読者は、10代〜90代で男女比は半々。そのため、幅広い層に訴えかける文学性の高い作品を選んだのですが、当初は『若い層に媚びる表紙はやめてほしい』という声もありました。そこで、特集を組み、文学と同じように『物語』を味わうBDの楽しみ方を提案したところ、読者の反応が一気に好意的に変わりました。表紙のテーマは年度ごとに変えています。今年度は『パリ歳時記』シリーズ。季節の風物詩を、表紙写真と記事で取り上げています」

雑誌の廃刊が相次ぐ中、こうした良質な雑誌にはなんとしても頑張ってもらいたいものだ。(ロニ蔵)

https://www.hakusuisha.co.jp/france/


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