こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

Archive for July 30th, 2010

川村記念美術館のロスコルーム Photo by Osamu Watanabe (c)Kawamura Memorial Museum of Art

海の日に、川村記念美術館へ行ってきた。かなり前から気になっていったのだが、自宅から遠い千葉県佐倉市にあるので、つい行きそびれていたのだ。
この美術館で是非とも観たいと思っていたのは、「ロスコ・ルーム」。この部屋は、20世紀美術の巨匠マーク・ロスコ(1903-1970)の〈シーグラム壁画〉と呼ばれる連作30点のうちの7点を展示したスペースだ。なかでも大きなものは、その横幅が4.5メートルにも及ぶまさに壁のように巨大な作品となっている。そこには、抽象画の極致というか、大画面に深い赤茶色やオレンジ、黒を基調とした色彩が雲のように茫漠と広がっている。7点の作品に囲まれて、同じ空気を呼吸しているだけで、何か不思議な気持ちになってくる。

川村記念美術館のニューマンルーム Photo by Osamu Watanabe (c)Kawamura Memorial Museum of Art

そしてこの部屋と対照的なのが、「ニューマン・ルーム」。こちらは、ロスコとともにアメリカの抽象表現主義を代表するバーネット・ニューマン(1905-1970)の作品が一点だけ展示されている。《アンナの光》と呼ばれる作品で、高さ2.8m、横幅6.1mという大きな画面に、強烈な赤い色彩が塗り込められている。その両端が白い矩形に塗られている以外は、幾層にも塗り重ねられた赤と対峙することになる。この日は夏の強い陽射しが窓から入り込み、部屋全体に光の気配が満ち溢れ、深い霧の中に佇んでいるような「ロスコ・ルーム」とのコントラストが一層鮮やかだった。

ここではその他にも極めて魅力的な作品が数多く展示されているだけでなく、周囲の自然環境の良さもあって、都内の美術館では味わえない充たされた時間を過ごすことができた。中でも、最も衝撃的だったのが、レンブラント(1606-1669)の《広つば帽を被った男》との出会いだ。この作品だけ、小部屋のようなスペースに展示されていたのだが、この肖像画を見た瞬間、打ち震えるような感情の昂ぶりを覚えた。

目の愉楽というのは、こういうことを言うのだろう。当時の裕福な商人が本当にその場にいて、こちらに微笑みかけているのだ。それは写真というモノの見方に慣らされた視覚には、とてもリアルで、新鮮な体験だった。レンブラントなんてこれまであまり意識もしていなかったけれど、こんな風に入り込まれてしまうと他の作品も気になってくる。

レンブラント・ファン・レイン 《広つば帽を被った男》1635年 川村記念美術館所蔵

この広つば帽を被った男性は、17世紀のオランダ絵画黄金期に活躍した巨匠への仲介役を買って出てくれたのだ。どうもありがとう、広つば帽さん。抽象画の優れたコレクションを誇る美術館に行って、大航海時代の具象画を発見するというのも皮肉な話だけれど…。(ロニ蔵)

川村記念美術館
http://kawamura-museum.dic.co.jp/

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 グリム童話のマンガ化に成功し、グリム兄弟の母国ドイツで人気を博しているマンガ家がいる。石山ケイさんだ。「赤頭巾ちゃん」「ヘンゼルとグレーテル」など、お馴染みの人物が登場する童話を独自の手法で描いた石山さんは2巻から成る『Grimms-Manga』を出版した。

 21歳でマンガ家としてデビューした石山さんがドイツに住み始めたのは2002年のこと。『AKIRA』や『ドラゴンボール』などの日本のマンガは人気となっていたが、まだマンガの出版社は少なかったそうだ。北米でマンガ市場を開拓してきたTOKYO POPがようやく2004年にハンブルグ支社を設立。グリム童話を題材にしたオリジナルストーリーを売り込み、出版までこぎつけた。

 「日本のマンガには独特の表現があり、長い歴史の中で、読者がそれを理解しています。だから作家はマンガの中で状況の説明をしなくてもいい場合があります。また、背景を描かず、顔だけを描く作家さんもいますが、それで十分読者に伝わることも多いです。しかし異国ではそうはいきません。顔の表情だけで意志を伝えられるのは、日本だけのことで、異国では状況説明や言葉が必要なんです。なので、キャラクターの心理を解りやすく表現したり、背景などもしっかり描き込んで、状況をちゃんと伝えることに努めました。仕事の担当の方に、厳しくチェックして頂き、私が今までどれだけ日本で読者の理解に頼ってマンガを描いて来たのかを思い知らされました。おかげで、初心に帰り、とても技術が向上しました」石山さんはインタビューにそう答えている。

 グリム童話は日本でも人気があり、多くの日本人が小さい頃から親しんでいる。石山さんは、この童話に新解釈を施し、登場人物の役割も変更している。『赤頭巾ちゃん』では、狼に赤頭巾の恋人になるチャンスが与えられ、『白雪姫』では、7人の小人のなかで一番年少の「ひかり」という名の小人からも白雪姫は熱愛される。こうした独自の構成が、ドイツの読者に絶大な人気を博し、2008年ドイツAnimaniAアワード国内漫画賞1等を受賞。この作品はブラジル、フランス、イタリア、スウェーデン、ギリシャ、フィンランド、ハンガリー、ロシアでも出版されている。現在はアメリカに暮らし、ボランティアでマンガや絵の描き方を教えている石山さん。彼女の今後の活躍に期待したい。(酒バラ)。

石山さんの公式HP
http://park1.aeonnet.ne.jp/~nekoteru/Pindex.htm

石山さんのインタビューが掲載されているHP
http://www.carlockbookcafe.org/InterviewKei_Ishiyama.html

19世紀末から20世紀前半にかけてフランスなど欧州で流行した芸術様式、アール・ヌーヴォー。流れるような曲線や、植物や昆虫など自然界の要素をデザインに取り入れているのが特徴です。このアール・ヌーヴォーの作品を多く残したのが、エミール・ガレです。

ガレは1846年、フランス東部の街ナンシーでガラス工場を営む家庭に生まれました。
大学では様々な学問を学びましたが、中でも植物学が彼に大きな影響を与えたことが作品を通して想像できます。

ガラス工芸のみならず、陶器や家具まで幅広い作品を手がけました。芸術を身近に楽しめることにこだわり、自分の芸術作品を工業製品として量産したガレは、芸術家であると同時に素晴らしい工業作家でもありました。

ちょうど彼が生きた時代に欧州で流行したジャポニズムを採り入れた作品は、日本人にはどこか懐かしく感じられ、違和感なく楽しめます。

エミール・ガレの作品は、国内で観ることができます。長野県の諏訪湖畔には北澤美術館、また、栃木県の那須にあるエミールガレ美術館があります。機会があれば訪れてみてはいかがでしょうか。(パクチー)

北澤美術館
http://kitazawamuseum.kitz.co.jp/suwa/index.html

エミール ガレ美術館
http://www.emile-galle-museum.co.jp/index.htm


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