こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

Archive for July 2010

リオネル・メッシ、クリスティアノ・ロナルド、カカ、フェルナンド・トーレス‥‥。今回のワールドカップでも、天才的なひらめきと華麗なテクニックをもったファンタジスタたちが、テレビの前の私たちの目を楽しませてくれた。ドリブルで、パスワークで、ペナルティ覚悟で襲ってくるディフェンスを翻弄し、守備陣営をずたずたに切り裂き、オープンスペースを作っていく。すべてが得点に結びつく訳ではないけれど、彼らの動きを観ているだけで楽しくなってくる。それはスポーツ観戦というよりもアート鑑賞に近い感覚だ。

こうしたファンタジスタたちのプレイを観ていると、いつも思い出す選手がいる。彼らのプロトタイプ(原型)とも言うべき、ジョージ・ベスト(1946-2005)だ。北アイルランド出身のベストはワールドカップに出場したことはなかったが、マンチェスター・ユナイテッド(マンU)のフォワードとして一世を風靡した。

ベストは、1967-68年シーズンのリーグ戦で得点王になり、1968年の欧州カップ優勝の立役者となった。彼のプレイの特徴は、その審美的なスタイルにある。とにかく美しいのだ。当時のサッカー選手では珍しいロングヘアーをなびかせての、魔法の足さばきによる幻惑的なドリブル。果敢なアタックをみせるディフェンスを妖精のようにひらりとかわし、低い重心で移動する彼の肉体は倒れそうでいて決して倒れない。微妙なバランスを保ちながら勇猛果敢にゴールに向かっていく彼の姿は、未だに脳裏に強烈なイメージとして焼き付いている。

ベストが興味深いのは、同時代的に人気を博したビートルズにちなみ、「5人目のビートルズ」と呼ばれ、スポーツヒーローがアイドルとなる先駆者的な存在となったことだ。サッカーが今日のようにコマーシャリズムと一体化する以前に、スポーツセレブとなり、私生活までがマスコミに採り上げられる初めての選手となった。

その波乱に満ちた生涯は、川端康雄さんの書いた『ジョージ・ベストがいた』(平凡社新書)に詳しいが、選手生活を終えた後のスキャンダラスな生き様なども含め、20世紀のスポーツヒーローの一人だと言ってもいいだろう。
テニスボールでドリブルの練習をして、足技を磨いたベスト。現代のファンタジスタたちにも、ベストの遺伝子は脈々と生き続けている。(ロニ蔵)

http://d.hatena.ne.jp/lovelovesoccer/20070325

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通勤、出張、旅行など、何かと話題に挙がるのが、新幹線や飛行機、リニアといった交通手段だ。交通インフラの整備で、私たちは活動範囲も時間の使い方も大きく変わってきたため、実際はインフラ以上のものである。鉄道は依然として支持されていることに気づかされるのだが、ところで、世界ビック3といわれる鉄道部門は、ドイツのシーメンス、カナダのボンバルディア、フランスのアルストム。

欧州企業のシーメンスは、電子機器、情報通信、電力、家電製品、システムソリューションなど幅広い事業をてがけるコングロマリットで、最近ではMRI装置や補聴器市場での堅強なシェアでも知られる。アルストムは発電プラントや高速鉄道事業を行う重電企業で、その発電設備部門は原子力から自然エネルギーまでのあらゆる発電技術を受注しており将来のCO2地下貯留ビジネスにも力を入れているという。

シーメンスは、ロシアからの鉄道受注、中国からは鉄道のほかに、通信や発電の分野でも売り上げており、新興市場からの需要で好調な業績の様子だ。言わずと知れたグローバル企業だが、そういえば思い出した。学生のころ友人が、シーメンスでインターンをしていた。オーストラリアの大学で宇宙工学を専攻していた日本人だったが、数ヶ月間のドイツ滞在で、プロジェクトを行うという。グローバルなインターン制度に私は興味を持った。

将来、移動時間の更なる短縮と利便性の実現で私たちがどういうライフスタイルを送ることになるのかは非常に関心あるところ。限られた地球の表面積を移動する交通手段は、短距離を賭けた、まだ変化の余地が大きい“長距離”なのかもしれない。(くるみ)

シーメンス
http://www.siemens.com/answers/jp/ja/
アルストム
http://www.jp.alstom.com/home/index.JA.php?languageId=JA

鉄道事業ビッグ3
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aewMm6nVPZis

シーメンス、ロシアからの受注
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=72999

CO2地下貯留ビジネス
http://eco.nikkei.co.jp/column/ekouma/article.aspx?id=MMECf2000007012010

今年1月からスペインが欧州連合の議長国を務めてきたが、7月1日でベルギーと交代。7月2日、駐日欧州連合代表部にて、ヨハン・マリクー駐日ベルギー大使、ステファン・フーバー駐日EU代表部臨時代理大使による共同記者会見が行われた。今年後半、EUは優先的に進めていく政策は何だろうか。
 マリクー大使は「社会経済、社会問題、環境、司法・内務、対外的側面」の5本の政策を軸に進めていく行動計画を発表した。また、日本におけるEU議長国としての役割としては、10月に名古屋で開催されるCOP10生物多様性条約会議を重要視していることに言及した。300人以上のEU大代表団を送り出すという力の入れようだ。5つの政策のひとつに「環境」があるが、EUはグリーン経済の道筋を歩んでいく。
 EU27カ国、アジア20カ国の元首が集合する、ASEMアジア欧州会合もEUも重要な外交の場としてとらえている。今年は10月にブリュッセルで開催されるが、ASEMサミットで議長国としての存在をはっきり目立たせたいと意気込みを語った。
 4月末に行われた日EU首脳会議をうけて、ハイレベルワーキンググループが設置され、今後10年間にわたる日本とEUの協力体制の構築が進められる。具体的には政府調達に関する協議、日本におけるEUの医療機器や自動車の規制などについて話し合いが行われる。(モコちゃん)

駐日EU代表部
http://www.deljpn.ec.europa.eu/

欧州で最古の美術館、パリのルーブル美術館の照明約4,500台が、環境への負荷低減を考え、LED照明に変わるそうだ。その契約を日本の東芝と結んだことは、とても嬉しいニュースだった。

世界中から観光客が訪れるルーブル美術館。有名なナポレオン広場や広場中央のピラミッド、中庭を照らす照明を現在のランプからLEDにすることで、より少量の消費電力で、耐久時間も長くなるそうだ。つまり省エネ。

東芝にとっても、環境技術を世界に宣伝できる好機となる。ルーブル美術館が、照明改修プロジェクトのパートナーに東芝を選んだことで、同社はブランド認知度を上げ、世界各地で同様の事業を展開していけるよう期待している。

こうした環境や技術、ビジネス分野での欧州と日本のコラボレーションが、今後さらに増えていってほしいと思う。(みかん)

東芝のニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2010_06/pr_j3001.htm

ルーブル美術館日本語サイト(日本企業が支援・協賛・協力)
http://www.louvre.fr/llv/commun/home.jsp?bmLocale=ja_JP

ジョナス・メカスの『リトアニアへの旅の追憶』を観た。アメリカに亡命していたメカスが、27年ぶりに故郷リトアニアを訪れて撮影された1972年の作品だ。見逃していたこの映画が「EU FILM DAYS 2010」で上映されると聞いて、東京国立近代美術館フィルムセンターに足を運んだ。


映画はメカスが亡命先に選んだニューヨークの1950年代の風景から始まるのだが、リトアニアの映像が映し出された瞬間、とてもなつかしいデジャ・ビューに襲われた。ザラザラしていて、それでいてぬくもりを感じさせるノスタルジックな、まるで夢の中のワンシーンのような映像。おっとりとして、どこまでも無垢で、まるで19世紀の人々のようにゆったりとした時間の流れの中に生きている故郷の人々。突然歌い出したり、踊り出したりするのだが、それが実に自然で、なぜか「大地」というしばらく忘れていた言葉を思い出してしまった。みな幸福そうだ。でも、それは清涼飲料水のTVコマーシャルのような多幸性の笑いではない。素朴で、心の底からあふれ出てくる笑いなのだ。

ああ、こんな国に行ってみたい!

リトアニアの農民たちに宛てた手紙をまとめた『どこにもないところからの手紙』(書肆山田)の中で、メカスはこんな風に書いている。

誰もが皆、先に進みたがる。しかし、今は、後戻りするほうが、ずっと賢いと私は思う。私たちが失ったものを見、そして探し出すこと。〈前進〉という大義名分のもとで私たちは何を失ったか。多くのものを失っただけではない。私たちはすべてを失っているのかもしれない。空気、水、大地、河、小川、森、草花、歌、無垢、聖なるすべてのものへの信仰。
(村田郁夫訳)

『リトアニアへの旅の追憶』の中には、私たちが失いつつあるもののすべてが失われずに生き続けていると言ったら、言い過ぎだろうか?(ロニ蔵)

ハンドボールというスポーツをご存知だろうか。簡単に言えば、手で行うサッカー。40m×20mのコートで、各チーム7人が対決し、ゴールを奪い合う競技だ。ルールはバスケットボールに似ているが、歩けるのは3歩まで。ピボット(ボールを持っているプレーヤーが、片足を軸足としてフロアに固定し、もう一方の足を動かすこと)は認められない。また、バスケットボールよりディフェンスの接触プレーが認められているのが特長だ。

見所はなんと言っても、プレーヤーがジャンプをしてゴールをするシーン。ゴールの周囲6mはゴールエリアと呼ばれ、キーパーしか入ることができないため、ディフェンスはそのラインにそって並び、相手の攻撃を防ごうとする。そこでオフェンスはジャンプしてディフェンスラインの上からシュートを打ったり、ディフェンスの間をくぐり抜けながら、ジャンプシュートを放つ。圧巻なのがスカイプレーと呼ばれるフォーメーション。立ち入りできないゴールエリア上にパスをし、飛び込んだ選手が空中でキャッチをし、そのままシュートを放つのだ。

日本ではマイナーなスポーツだが、ハンドボールの本場・ヨーロッパではサッカーに次ぐ人気スポーツで、各国にプロリーグがあり、チャンピオンズリーグも開催されている。ドイツのブンデスリーグ2部のEHVアウェに所属する植松伸之介選手など、日本人選手も活躍しており、テレビ番組で話題になった宮崎大輔選手もスペイン一部リーグのアルゴペンダスで頑張っている(今シーズンは未定)。

“空中の格闘技”とも言われるハンドボール。ルールが分からなくても充分に楽しめるので、一度、ご覧あれ。(酒バラ)

宮崎大輔選手の公式ブログ
http://blog.pakila.jp/daisuke7/

地球表面積の約70%を占める海洋は、生態系の維持、レジャー、漁業などのほか、資源としての価値も改めて注目されています。世界では、たとえばユネスコで今年も5月に世界海洋会議(Fifth Global Ocean Conference at UNESCO)が開かれ、海洋ガバナンスや生命の保全などについて話し合われました。EUは2006年に海洋に関するグリーンペーパーを採択し、持続可能な海洋活用のためのビジョンを展開するための取り組みがなされています。

EU各国や自治体もこれまで対策を講じてきました。海洋資源が豊かで、複数の国が面する北海沿岸地域には、経済的・社会的・文化的アイデンティティがあります。これを守るため、国家を超えて北海沿岸の各自治体が参加するグランドデザイン・プロジェクト(NorVision)に、これまでEUが越境地域協力資金(Interreg)を提供してきた経緯があります。

またイギリスは、海岸部にトラストや国有地が多くあり、自然環境をガバナンスしています。同国は国際貿易航路が経由する港をいくつも有しており、環境負荷をかけない持続可能な資源利用を目指して、昨年末には海洋及びアクセス法案が制定されました。海洋管理庁が海洋開発の認可・管轄を一元化し、内陸部の淡水魚を保護するためにイングランド沿岸部にレクリエーション道路を設けるなどの内容を盛り込んでいます。

日本は6852の島嶼から構成されているそうです(財団法人 日本離島センター)。沿岸や海洋というコンセプトに目を向けるのもいいかもしれませんね。(くるみ)

EU海洋政策
http://www.deljpn.ec.europa.eu/union/showpage_jp_union.maritime_policy.php
http://www.jstra.jp/html/PDF/EUkaiyoukankyoukisei.pdf

Norvision
http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/chouryu/169/index.html

イギリス 海洋及びアクセス法案
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/23902/02390204.pdf


自由で活発な発言を歓迎します。

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このフォーラムの内容は欧州連合としての見解を示したものではありません。

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