こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

フランス・ジャズ界の至宝 Michel Petrucciani: Soundtrack to an Ikebana Exhibition

Posted on: 2010/08/25

華道展でかけるCDを選んでほしい…こんな依頼を受けた。あまりうるさい曲はNGだろうし、そうかといってBGMっぽい曲も避けたい。クラッシックだといかにもという感じになって興ざめだし、ホーンセクションの入ったもろジャズというのもそぐわない気がする。民俗音楽だと色が付きすぎるし、J-POPだと何が場違いな感じがする。主役の花を引き立てるためには、やはりソロがいいだろう。チェロとか、ピアノとか、ギターなんかがいい。10枚ぐらいCDを選んで、そこから気に入ったのを使ってもらうのが一番いいのだが、それもすこし芸がないような気がする。
そこで思案の末に辿りついたのが、ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani:1962-1999)のソロアルバムだ。

ペトルチアーニは、ジャズの名門レーベルであるブルノート・レコードと最初に契約したフランス人ピアニストとして有名だ。フランスで、彼の右に出るジャズピアニストはいないだろう。そのどこまでも澄み透るような硬質なピアノの音を聴いているだけで、凛として晴れ渡った秋空のような気分になってくる。そして同時に、どこか弾むような躍動感のある音色に満ちていて、思わずスィングしてしまうのだ!
しかしそんな陽気さとは裏腹に、彼は骨形成不全症という先天性疾患を持っていて身長は1メートルにも達せず、骨がもろく、ピアノの前まで誰かに運んでもらわなくてはならなかった。以前、ブルーノート東京で彼の演奏を聴いた時も、共演のミュージシャンに抱きかかえるようにしてステージに登場して、びっくりしたことがある。でも、一端弾き始めると、そんな心配はどこ吹く風と、限りなく透明感溢れる演奏で聴く者をピューリファイしてしまうのだ。

20歳まで生きればいいと言われていたペトルチアーニは、36歳の時、ツアー先のニューヨークで客死した。1999年のことだ。それから10年以上経つが、彼の演奏はコンスタントに聴き続けてきた。会場の生け花たちは、ペトルチアーニのピアノの音色に静かに耳を傾けてくれるだろうか? (ロニ蔵)

Advertisements

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s

自由で活発な発言を歓迎します。

ただし書き込みをする際には、以下の行為は禁じられております。
・差別的なコメント
・フォーラムを荒らすような行為
・スパムメッセージ

このフォーラムの内容は欧州連合としての見解を示したものではありません。

August 2010
M T W T F S S
« Jul   Sep »
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

Blog Stats

  • 279,966 hits
%d bloggers like this: