こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

バルセロナで出会った「パン・コン・トマテ」の味 Unforgettable Taste of “Pan con Tomate” in Barcelona

Posted on: 2011/01/27

 バルセロナにいたときのお話。といっても、1988年、バルセロナオリンピックを4年後に控えていた頃の話だ。オリンピックは街を変える。バルセロナも例外ではない。当時、バルセロナに暮らす人たちは、街が“変わる”という期待と、“変わってしまう”という不安の両方を感じていたように思う。ガウディをこよなく愛する学生と出会い、ガウディの建築物を案内してもらったが、彼も期待と不安を口にしていた。グエル公園を散策した後、街角のバールに立ち寄ったとき、「それでもこの味は変わらない」と彼が注文したのが「パン・コン・トマテ」だった。出てきた皿には、軽くトーストしたカタルーニャ独特の田舎風パンに、ニンニクやトマト、塩、オリーブオイルが添えられていた。彼はトーストにニンニクをすり込み、トマトをすり込み、塩とオリーブオイルをかけた。見様見真似で、彼と同じように調理(?)し、赤く染まったパンを口にしてみる……ニンニクの香りとトマトの甘酸っぱい味わいが口に広がり、驚くほど旨かった! スパークリングワイン・カバにもよく合う。

「旨い」を連発したのがよほどうれしかったのか、彼は「この味はカタルーニャ人の誇りだ」と熱く語り出した。スペインがモザイク国家と呼ばれ、カタルーニャ地方やバスク地方、カスティーリャ地方などが、それぞれ独自の言語や文化を守り続けていること、ワールドカップのスペイン代表も自分の地方の代表が選ばれていなければ応援もしないことなども、恥ずかしながら彼の言葉で初めて知った。スペイン代表チームがワールドカップで優勝できないように、バルセロナオリンピックでもスペインがひとつにまとまるとは思えないと言う。「オリンピックが開催されても、バルセロナの良さを失いたくない」、そう言いながら、彼はニヤリと笑った。「でも大丈夫。パン・コン・トマテの味だって、ずっとこのままさ」

 あれから、20年以上が過ぎた。東京でもスペイン料理、しかも美味しいパン・コン・トマテを味わえる店が増えてきた。昨年のワールドカップでは、スペイン代表がついに初優勝を果たした。

 彼は、今頃、どうしているのだろうか。きっと、サグラダ・ファミリアの建設を見守りながら、パン・コン・トマテを食べているに違いない。(酒バラ)

在バルセロナ日本国総領事館がカタルーニャ料理を紹介しているHP
http://www.barcelona.es.emb-japan.go.jp/japones/kankou_tabemono.htm

Advertisements

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s

自由で活発な発言を歓迎します。

ただし書き込みをする際には、以下の行為は禁じられております。
・差別的なコメント
・フォーラムを荒らすような行為
・スパムメッセージ

このフォーラムの内容は欧州連合としての見解を示したものではありません。

January 2011
M T W T F S S
« Dec   Feb »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

Blog Stats

  • 279,892 hits
%d bloggers like this: