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耐震構造に優れた新木材の開発に―日本とヨーロッパが協動 Development of New Earthquake Resistant Wood Material

Posted on: 2011/04/06

日本に未曾有の大被害をもたらした東北地方太平洋沖地震。被害を受けられた皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

阪神・淡路大震災以降、日本では耐震実証実験の必要性が訴えられてきました。それ以前も、縮小模型を使っての実験や、壁や柱といった建築部材ごとの実験は行われてきましたが、あくまでもシミュレーションとしてのデータ。阪神・淡路大震災では、データ上、倒壊しないはずの建造物も倒壊しました。そこで、実大規模の構造物を実際に破壊し、破壊メカニズムの解明や耐震補強効果の検証を行うことができる研究・実験施設として、2005年に設置されたのが実物大三次元振動破壊実験装置・E-ディフェンスです。世界最大で、かつ唯一の実物大の震動研究施設であるE-ディフェンスを使って、実際の構造物が地震の際に、「どう壊れるのか」、「どこまで壊れるのか」、「なぜ壊れるのか」を明らかにする研究が行われています。

このE-ディフェンスを用いて、ヨーロッパで開発されたクロスラミナパネルの実証実験が行われたことがあります。クロスラミナパネルとは、厚さ2cm程度の木材を交互に隙間無く貼り合わせた厚さ7cmから20cm程度の集成パネル。ドイツで開発され、ヨーロッパでは、中層規模のホテル、共同住宅等で壁や床に用いられ、普及しています。クロスラミナパネルを用いれば、木造でありながらも、従来のヨーロッパらしい重厚さを持った建築物を建設することができます。E-ディフェンスを用いた実験は、イタリア北部アルプスの南に位置するトレンティーノ自治州にあるイタリア国立樹木・木材研究所との共同研究の一環として行われました。イタリアは日本と同じように、地震、火山噴火といった自然災害に幾度となく見舞われています。

クロスラミナパネルを用いた7解建木造建築物を実際に組み立て、E-ディフェンスで耐震性能を調べたところ、結果は良好で、十分な耐震性能を確保し得ることが確認されました。また、不燃材料で被覆することにより、耐火性能が確保されることも確認されています。

強度の弱い木材を有効利用できるクロスラミナパネルは、次世代の建築資材として世界各地から注目を集めています。

私たちは今回の地震で自然災害の脅威を思い知らされました。ただ、今回の地震においても、耐震構造の確立に向け、尽力した人たちのおかげで、救われた命も少なくなかったと思います。自然災害に備えるにはグローバルな協力関係が不可欠です。今後も、こうした日本とヨーロッパとの共同開発が続くことを願っています。

独立行政法人防災科学技術研究所のHP(クロスラミナパネルの実証実験の映像が掲載されています)

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