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プチファーブルと呼ばれた画家 The Painter Known as “Fabre le Petit”

Posted on: 2011/04/28

  • In: Art | Lifestyle
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熊田千佳慕(くまだ・ちかぼ:1911-2009)という画家をご存知だろうか? 日本のプチファーブルと呼ばれた細密画家だ。フランスのファーブルが著した『ファーブル昆虫記』に魅せられ、ファーブルの世界をスーパーリアルなタッチで描写したナチュラリストである。

プチファーブルと呼ばれるようになったのは、「J.H.ファーブル展」(1989年 神奈川県立美術館)で、フランス・ファーブル博物館のコレクションとともに彼の原画が展示された時からだ。はるばるフランスからやってきた来賓が千佳慕に声をかけた。
「ファーブル先生は虫の世界を文字で世界の人々に知らせたが、あなたは虫たちの生活やファーブル先生の偉業を絵筆で多くの人に知らせてくれた。クマダはプチファーブルだ」(プチファーブル・熊田千佳慕展 図録より)。

フランスからやってきたファーブル関係者を驚かせたのは、千佳慕が日本から一歩も出ていないのに、ファーブルが後半生を過ごした南仏のセリニアンの情景をそっくりそのままに再現したからだった。ファーブルが観察した虫たちの世界を、まるでファーブルと一緒に見ていたようにして描いたことに何より驚愕したのである。

昨年、高崎市美術館(群馬県)で開催されていた「熊田千佳慕展」に足を運んだ時、何よりビックリしたのは、幼い頃読んだ『ファーブル昆虫記』の世界がすぐ目の前に広がっていたことだ。まだ小学生に入る前、なんて不思議な暮らしをしているのだろうと夢中になって虫たちを眺めていた自分が、すぐ目の前にいたのだ。

おそらく、千佳慕の虫たちの世界に触れあった人なら誰でもそんな気持になるに違いない。文章や写真では決して表現できないリアリティがそこにはある。原画を見る機会があったら是非とも彼の世界に浸ってほしい。もしそれが難しいのであれば、小学館から出版されている『ファーブル昆虫記の虫たち』で千佳慕ワールドの扉を開けてほしいものだ。(ロニ蔵)

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