こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

Archive for May 2011

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  • Comments Off on ベネシャン・ブラインドに関する一考察 Origin of “Venetian Blinds”

大したことではないのだけれど、以前からずっと気になっていたことがある。オフィスなどでよく使われているベネシャン・ブラインドのことだ。
プラスチックの細長い帯状の板の角度を調整することで、外光を遮ったり、採光したりする、あのブラインドである。

ベネシャン(Venetian)とは、〈ベネチアの〉という意味だ。語源を調べてみると、当然イタリアに行きつく。水の都ベネチアでは直接に降り注ぐ陽光だけでなく、水面からの反射光を遮る必要があった。このため、ベネシャン・ブラインドがとても重宝されたという。船で行き交う人々の視線からプライバシーを守るためには、このブラインドがなくてはならないものだったのであろう。

しかしもっと詳しく調べてみると、「ぶらりボキャブ散歩」というサイトにこんな記載があった。Venetianとあるから、ベネチア生まれなのかと思いきや、誕生の地はペルシア。14世紀ベネチアが商業の町として栄えた頃、貿易商がペルシアから輸入したのがヨーロッパ伝来の始まりだという。

さらにこのサイトでは、ヨーロッパの各言語で、Venetian blindsをどんな風に言うのを紹介している。面白いのは、ドイツ語とオランダ語などだ。どこでどう間違ったのか、「嫉妬」(de jaloezie〔蘭〕、die Jalousie〔独〕)という風に呼ぶというのだ。これはペルシアではベネシャン・ブラインドが女性を隠すために使われていたことに端を発しているようだ。女性の姿が見えなくなることに対して、ドイツやオランダの男性たちが嫉妬を覚えたためであろうか?この当たりの経緯はよく分らないけれど、なんとかなくエロティックな雰囲気が漂っている。

日本でも御簾(みす)の内と言うと、なんだか淫靡な感じがするけれど、やはり日の光を遮るという行為には世界共通の想像力が働くということなのだろうか…。                                (ロニ蔵)

 

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  • In: Belgium | Country | Politics
  • Comments Off on ベルギーの「内閣不在」記録、世界一へ Belgium About to Set New Record for Political Gridlock

欧州連合のお膝元、ブリュッセル(欧州委員会の所在地)が首都のベルギーでは、政府が1年近く「不在」である。もちろん、本当に政府がない訳ではない。ちゃんと首相もいて、先日訪欧中の松本外務大臣を歓迎した。つまりは、昨年6月13日に行われた連邦議会選挙(総選挙)の結果を反映した内閣がまだ出来ていないのだ。ベルギーでは連立政権が通常で、今回も昨年の総選挙で勝利を収めた政党を中心に複数の政党の間で組閣交渉が断続的に行われている。この様子は1月の記事にも紹介したが、関係者間の話し合いがこじれ、いまだに決着していないのである。今回は、これまでのベルギー国内の「内閣不在期間」最長記録の194日(2008年)を既に大きく上回っている(5月27日時点で348日)。

しかし、先日大きな転機が訪れた。5月16日、フランス語系社会党党首ディ・ルポ氏がベルギー国王から組閣交渉をとりまとめる「組閣担当者」に任命されたのだ。過去、「組閣担当者」が組閣交渉を決着させ自ら新内閣の首相に就任した例が非常に多い。今回は、総選挙で大勝したオランダ語系政党の党首や上下両院議長など何人もの政治家たちが総選挙後から組閣交渉の調整役等に任命されてきたが、「組閣担当者」の任命は初めてだ。したがって、少なくとも形の上では組閣交渉が「最終コーナー」に入ったといえる。

とは言え、この「最終コーナー」が恐ろしく長い道のりになる可能性がある。ディ・ルポ氏の「組閣担当者」任命をきっかけに組閣交渉が一気に決着するとみている当地メディアや有力政治家は皆無で、新内閣の誕生は「早くて夏休みの後」との見方が大勢を占めている。筆者のベルギー人の友人も「残念だけどそのとおりになりそう」と語った。

このベルギーの「内閣不在期間」の記録は、3月末には「290日」としてギネス世界記録に認定された(世界第2位)。トップ記録はカンボジア政府の354日(2004年)であるが、この記録を抜くのはほぼ間違いない。ベルギー政治ウォッチャーとしては、この不名誉な記録をベルギーに更新して欲しいような欲しくないような、複雑な心境である。
(じょぎんぐまん)

  • In: Book | Culture
  • Comments Off on 『風の影』 La Sombra del Viento (Shadow of the Wind)

今さらながらではありますが、4~5年前に購入してずっと放置していた『風の影』(カルロス・ルイス・サフォン著)を最近、読みました。読み始めたら止まらなかった!

舞台は1945年のバルセロナ。スペイン内戦の深い傷がいまだ、街や人々の生活に影響を及ぼしています。10歳の少年ダニエルが古本屋を営む父親に連れられ、「忘れられた本の墓場」を訪れます。そこで、フリアン・カラックスの『風の影』という小説に出会います。これはレア本で、世界でこの1冊しか残ってないものでした。ダニエルはフリアンの作品をもっと読みたくなりますが、フリアンは消息不明の謎の作家であることがわかります。

ダニエルはフリアンに惹かれ、必死になって彼を探しますが、その過程でスペイン内戦時代を生き抜いてきた暗黒の人物から狙われたり、恋に落ちたり、恋に破れたりと少年から青年へと成長していく様も描かれています。そして、スペイン内戦の悲劇が、ダニエルによるフリアン探しの過程に大きな影を落としていきます。歴史がこの小説を濃密にしている印象を受けました。

17言語、37カ国で翻訳出版された本。ミステリーとロマンと歴史の要素がつまった1冊です。(モコちゃん)

  • In: Country | Denmark | movie | society
  • Comments Off on デンマーク映画『未来を生きる君たちへ』 Danish Film “In a Better World” Looks at How We Can Live Without Hatred

今年2月におこなわれた第83回アカデミー賞授賞式で、外国語映画賞を受賞した、デンマーク映画『未来を生きる君たちへ(In a Better World)』が、日本でもこの夏公開される予定だ。

以前、筆者のブログでも紹介したが、監督は、『アフター・ウェディング(After the Wedding)』(2007)や『しあわせな孤独(Open Hearts)』(2002)など、国内外で多くの賞を受賞しているスザンネ・ビア。今回も、現代社会に渦巻く「善」と「悪」という微妙な境界線を通して、その先に見える本質とは何かを、観客に投げかける作品となっているようだ。

ストーリーは、「暴力」と「復讐」(原題はスウェーデン語で「復讐 “Hævnen”」を意味する)がテーマとなっている。今、世界で起こっている戦争は、アフガニスタンにせよ、イラク戦争にせよ、「復讐」という2文字が根底にある。「復讐」は、また更なる「復讐」を生むだけということを知っていながら、人々は、いつの時代も復讐劇を繰り返す。

映画は、主人公の子どもが受けるいじめや、アフリカの難民キャンプに従事する医師の苦悩、また、家族間に生じた亀裂といった、複雑に絡み合った人間模様を軸に展開される。一見、それぞれの「復讐」には関連性がないように思えるが、たとえ小さな「復讐」であれ、それが積もり積もると、取り返しの付かない巨大な憎しみへと変わるという点に関しては、ある種の一貫性があるように思う。より良い世界を作るために、われわれはどんな選択をすればよいのか、この作品にはそんなヒントも隠されているに違いない。今から公開が楽しみだ。(さくら)

『未来を生きる君たちへ』(今夏公開予定)
http://www.mirai-ikiru.jp/

  • In: Administration | Disaster
  • Comments Off on 東日本大震災被災地にEUの支援が届くまで EU’s Immediate Assistance to Areas Affected by the Great East Japan Earthquake

欧州連合(EU)のあらゆる活動には、27の加盟国間の調整作業が欠かせない。3月11日に東北・東日本を襲った地震、津波、原発事故の被害に対する支援でも、この機能は発揮された。

まず震災から2日後に、EUは欧州市民保護メカニズム(European Civil Protection Mechanism)の連絡官を1名、そして19日には15名からなる専門家とサポートスタッフを派遣し、4月9日まで東京の駐日代表部を拠点として、加盟国からの支援物資が必要な被災地に届くよう調整を行った。

欧州市民保護メカニズムは、EU全加盟国とその他4カ国の合計31カ国が参加する国際緊急援助システムだが、今回の震災に対し、19カ国が財政や物資による支援を提供(表参照).物資は7回に分けて日本まで運ばれたが、その際ルフトハンザ航空やDHLなどの民間企業が、無償で輸送機を提供した。合わせて約400トンに及ぶ救援物資は、宮城、山形、福島、茨城、栃木の各県に届けられた。

日頃からの体系だった体制を備えているからこそ、複数の関係者を迅速に取りまとめられるのだろう。各国の善意が、被災地で有効に生かされるために重要なことだと思った。 (みかん)

表:EUと加盟国による支援(2011年4月26日現在)

国名 金融支援 物的支援
オーストリア 100万ユーロ 毛布2万枚、ゼリー450缶
ブルガリア   ベッド168台
チェコ 20万5千ユーロ  
デンマーク   毛布25,340枚
EU人道援助局(ECHO) 1,000万ユーロ  
エストニア 20万ユーロ  
フィンランド 50万ユーロ 線量率機器50個、水容器130個、飯盒3,216個、スリーピングマット880枚
フランス   毛布23,000枚、ボトル水100トン、紙マスク10万枚、食料10トン、消毒ジェル、放射線線量計、放射能探知器、防護服、手袋、マスク、ホウ素100トン
ドイツ 63万ユーロ  
ギリシャ 10万ユーロ  
ハンガリー   食料16.7トン
アイルランド 100万ユーロ  
ラトビア 14万2,288ユーロ  
リトアニア   寝袋300個、毛布2,000枚
ルクセンブルグ 25万ユーロ  
オランダ 100万ユーロ スリーピングマット1,998枚
スロヴァキア 10万ユーロ Tシャツ1,000枚、ズボン1,000枚、シャツ1,000枚、プルオーバー1,000枚、靴1,000足、毛布1,000枚、テント14個、寝袋112個、キャンプ用ベッド112台
スロヴェニア 15万ユーロ  
スウェーデン   プラスチックブーツ296足、手袋1万セット、毛布7,030枚
英国 170万6,100ユーロ ボトル水103トン

 出典:欧州連合プレスリリース 2011年4月29日

http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=MEMO/11/261&format=HTML&aged=0&language=en&guiLanguage=en

駐日EU代表部ニュース
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2011/110429b.html

フォトギャラリー
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/audio/photo/110330.html?ml_lang=jp

  • In: Food | Health | Lifestyle
  • Comments Off on いま、ミラノでもっともホットな日本食とは A Popular Japanese Food in Milan

ヨーロッパの各国のプロサッカーリーグが佳境を迎えている。
イタリアではセリエAの有力チーム、ミラノのインテルに長友佑都選手が所属しているが、長友選手の活躍と人気の上昇にともなって、意外な日本の伝統食への関心が高まっている。
その伝統食とは「梅干し」。

長友選手といえば、試合終了までスピードが落ちることなく走り続けることができるスタミナが最大の売り物だ。ピンク色の紙が目印のイタリア最大のスポーツ紙「ガゼッタ・デッロ・スポルト」は5月7日、前夜の試合で初ゴールを決めた記事で、長友のスタミナの秘訣は梅干しであると報じた。梅干しを見たことがないイタリア人向けに「塩漬けしたプラムのようなもの」と説明、長友選手がお気に入りの梅干しを、和歌山県から取り寄せていることまで紹介している。

長友選手本人は自身のブログで「クエン酸も入っていてアスリートにも最適。すごいうまいっす。試合前に食べたりしてるよ」と梅干しについて語っている。

ミラノのサッカー選手の間では、日本食は健康的でオシャレと大人気。高級日本食店として有名な「NOBU」はサッカー選手が集まる店として知られているし、元インテルのフィーゴ選手や、ACミランのセードルフ選手など、副業に日本食レストランを経営する人もいる。「UMEBOSHI」がミラノを席巻する日も近い……のだろうか。

5月7日付ガゼッタ・デッロ・スポルト(電子版)Il segreto di Nagatomo?
http://www.gazzetta.it/Calcio/SerieA/Inter/07-03-2011/segreto-nagatomo-80395414583.shtml

長友選手のブログ「GUAPOブログ」3月1日「疲労回復には…」

  • In: Architecture | Culture
  • Comments Off on 世界最大級の軍事博物館 World’s Leading Military Museum

パリ・エッフェル塔から徒歩30分の距離にあるアンバリードの軍事博物館は、軍事関連の展示規模として世界最大である。シンボルは金のドームで、ナポレオン一世の墓が置かれている。

壮大で簡素な古典様式の建物は、17世紀に傷病兵を収容する施設を想定して創設されたと同時に、修道院、病院、工場としての機能を備え、軍事的でありながら宗教的なシステムを兼ねる一つの都市のようだ。

展示されているのは、中世から20世紀までのフランスの軍事史に関する品々で、甲冑、武器、肖像など、その数の多さに圧倒される。中世時代、ナポレオン時代、第二次世界大戦時代という大まかな時代区分による展示がメインだが、フランスのレジスタンスについての展示入り口が別にあったり、シャルル・ド・ゴールの歩みをビジュアルで視ることができるオーディオホールがあったりする。その他にも日本の戦国時代の鎧も展示されている。コレクションごとに展示エリアが分かれているが、いずれのコースも必然的にアンバリードの中庭と回廊に行き着くようになっていて、その「栄誉の中庭」を囲むようにフランスクラシック砲が並んでいる。

多くの入場者が入場チケット販売機には列を成し、博物館にはフランス内外の中高生、欧米人観光客のほか、アジア人の姿もある。ここはフランスの「国の記憶」でありながら、フランスに限らず、戦争という人類の歴史について一考させられる場所なのに違いない。(くるみ)


自由で活発な発言を歓迎します。

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