フランダースのビール Flanders Beer
Posted 2011/07/07
on:- In: Culture | Food
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あまりの猛暑に吉祥寺にあるビール専門店に立ち寄ったら、面白いベルギービールに出会いました。アルコール度8%のブラウンエール「パトラッシュ」です。甘いのにすっきりした味わいで、最後の1本にちょうど良い感じです。ベルギーでパトラッシュといったら「フランダースの犬」だろうと、マスターに確認したところ、TVアニメの舞台になったアントワープ市近郊のホーボーゲン村にある醸造元のビールとのこと。
実は「フランダースの犬」はベルギーの地元では、あまり知られていなかったそうです。再評価されるようになったのは、海外からの観光客が少なかったアントワープ市のノートルダム大聖堂にある時期から多くの日本人が訪れるようになってから。日本人観光客のほとんどが教会に到着するとまず、「ルーベンスの絵はどこですか」と質問し、絵を見ながら泣き出してしまうそうです。少年ネロと愛犬のパトラッシュがルーベンスの絵に見守られながら静かに息を引き取るアニメ「フランダースの犬」のラストシーンを見たことのある日本人ならその行動も理解できますが、何も知らない現地の人々は衝撃を受けたに違いありません。
そんな訳で、アニメ「フランダースの犬」の存在がベルギーにも知られるようになり、ホーボーゲンにネロとパトラッシュの銅像が建つなど、日本人向け観光スポットが次々に誕生。地ビールの「パトラッシュ」も、2006年に発売されました。同じブランドの「ネロ」というビールもあるそうです。
ビールのラベルの絵柄は妙にリアルで、アニメ版のネロとパトラッシュとは全く似ていません。どんなに酔っぱらっても主題歌を歌いながら泣くようなことにはならないと思います。ただ、猛暑の中で一日働いた後は、つい最終回のセリフをつぶやきたくなります。「パトラッシュ、もう疲れたよ」。
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