こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

Archive for the ‘Disaster’ Category

9月30日に、経済広報センターと日独センターの共催でシンポジウム「日本再建~変貌する国際関係への視点も含めて~」が開催された。ロルフ・ヘンペルマン・ドイツ連邦議会議員、植田隆子・国際基督教大学教授による基調講演のほか、知日派のドイツ人ジャーナリストによるプレゼンやディスカッションで、日本の何が語られるのかというのが私の関心ごとだった。

エネルギー・経済政策専門のヘンペルマン議員からは、東日本大震災後の今、政府の素早い行動が必要との意見が出され、問題解決が早ければ早いほど、国際社会での評価が上がる点が強調された。また、復興のためには「連帯感」がキーとなる話がなされた。東西ドイツ統一にあたっては「連帯税」が導入され、東ドイツで使うお金を国民から回収してきた。ドイツはまた積極的にEU設立に関わってきた。戦後ドイツは国際市場やEUの枠組みによって復興が前進してきたため、ここでも「連帯」がキーワードだった。

東日本大震災を受けて、脱原発の路線をとったドイツは、2010年、15年、20年という5年ごとの区切りにおいて、どのくらい再生可能エネルギーに代替できるのかという課題が待っているという。

ジャーナリストの方々からは、今の日本における議論の必要性が強調された。ドイツにおける「環境問題」は、エネルギー業界における独占市場と政府の力関係のことまでを含んで民主主義に対する問いかけでもあるという。日本においても、一人ひとりが現状の問題点について考え、社会とコミュニケーションを図っていくこと、またメディアも議論のたたき台になる話題を提起していくべきだと指摘された。市民社会の代替機能を果たし得るソーシャルメディアによって伝統的なメディアにはチャンスとリスクが共存しているが、はたして未来はどのようになっていくのだろうか。(くるみ)

【リンク】
日独センター
http://www.jdzb.de/

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 前回でモコちゃんが記事にしてくださった「スペイン皇太子賞」の正式名称は、「アストゥリアス皇太子賞」といいます。同賞は、1980年にスペイン王室の王位後継者であるアストゥリアス皇太子により設立された財団により、翌1981年から毎年授与されています。
 アストゥリアス皇太子賞の賞与部門は、芸術、社会科学、コミュニケーションおよびヒューマニズム、国際協力、学術・技術研究、文学、スポーツ、及び平和からなっています。これまで、ネルソン・マンデラ氏、アル・ゴア氏、ボブ・ディラン氏や、世界保健機構(WHO)、ブラジルのナショナルサッカーチームからグーグルに至るまで、数多くの世界的著名人・著名団体が受賞しています。

 アストゥリアス皇太子賞は、賞与対象が個人から団体まで多岐にわたるのが特徴です。例えば、今回「フクシマの英雄」が受賞する平和部門賞は、異文化理解や平和的共存、不正、貧困や不平等に対する闘い、自由の擁護などにおいて模範となる貢献した個人、団体、機関に贈られます。近年では、ベルリンの壁崩壊から20周年を迎えたベルリン市(2009年)、コロンビア革命軍(FARC)に誘拐され、6年半にわたる捕虜生活を経てコロンビア国軍によって解放されたコロンビアの政治家イングリット・ベタンクール氏(2008)、国際連合児童基金(ユニセフ、2006年)などが受賞しています。

 20か国、44受賞候補者・候補団体の中から、見事、アストゥリアス皇太子賞平和部門賞を勝ち取った「フクシマの英雄」は、10月21日、アストゥリアス皇太子財団の本拠地であるオビエド市カンポアモール劇場での授与式に臨みます。受賞者には、賞状、スペインの芸術家ホアン・ミロによる彫像とともに、賞金5万ユーロ(訳540万円)が寄与されるそうです。
  まだまだ先の見えづらい震災復興と原発問題ですが、スペインから暖かいエールをもらったような、そんな気分にさせてくれるニュースでした。(オラ!カティ)

● 記事に関するリンク先

アストゥリアス皇太子財団公式HP(スペイン語他)
http://www.fpa.es/

アストゥリアス皇太子財団公式HP日本語版解説
http://www.fpa.es/uploads/files/princeofasturiasawards-jap.pdf

   文芸誌『すばる』の7月号に、フランスのノーベル賞受賞(2008年)作家、J・M・G・ル・クレジオが今回の大震災に関するメッセージ「荒ぶる神と人災を越えて―日本に寄せる期待―」を寄せている。編集部からの「日本の人々を励ます一文を書いてほしい」という依頼に応えたものだ。この文章では、こどもの頃から憧れてきた日本文化に対する思いを述べた後で、福島第一原発の事故について触れている。

   核エネルギーの危険性について、クレジオはこんな風に述べている。「チェルノブイリ事故の前年、あの原子力発電所は原子力技術が生んだ華として世間に紹介され、北米のさる物理学者、ラスムッセン教授という人ですが、ひとつの原子力発電所で事故が起こる危険は、ある町に隕石が降ってくる危険と同じぐらいに小さいと言明しました。日本は、模範的な勇気をふるって、この恐るべき状況に立ち向かっていますが、数カ月後にこの偉大な国民は、逆境のなかで孤独の重圧をひしひしと感じているかもしれないのです(中地義和訳)」。

   そして最後にクレジオは、黒澤明の作品『まあだだよ』を例に出して、その映画の中で、老教授が第二次世界大戦で焦土と化した東京で生き続けていこうとするときに、書物が希望となったように、世界の文化に寄与した日本文化(芸術、技術、文学、哲学など)が、日本再生の希望となると言っている。
   原発事故の出口が見えない状況だからこそ、私たちはこうした声にもっと真摯に耳を傾けるべきなのだろう。希望は常に文化の中にしかないような気がする。(ロニ蔵)

  • In: Administration | Disaster
  • Comments Off on 東日本大震災被災地にEUの支援が届くまで EU’s Immediate Assistance to Areas Affected by the Great East Japan Earthquake

欧州連合(EU)のあらゆる活動には、27の加盟国間の調整作業が欠かせない。3月11日に東北・東日本を襲った地震、津波、原発事故の被害に対する支援でも、この機能は発揮された。

まず震災から2日後に、EUは欧州市民保護メカニズム(European Civil Protection Mechanism)の連絡官を1名、そして19日には15名からなる専門家とサポートスタッフを派遣し、4月9日まで東京の駐日代表部を拠点として、加盟国からの支援物資が必要な被災地に届くよう調整を行った。

欧州市民保護メカニズムは、EU全加盟国とその他4カ国の合計31カ国が参加する国際緊急援助システムだが、今回の震災に対し、19カ国が財政や物資による支援を提供(表参照).物資は7回に分けて日本まで運ばれたが、その際ルフトハンザ航空やDHLなどの民間企業が、無償で輸送機を提供した。合わせて約400トンに及ぶ救援物資は、宮城、山形、福島、茨城、栃木の各県に届けられた。

日頃からの体系だった体制を備えているからこそ、複数の関係者を迅速に取りまとめられるのだろう。各国の善意が、被災地で有効に生かされるために重要なことだと思った。 (みかん)

表:EUと加盟国による支援(2011年4月26日現在)

国名 金融支援 物的支援
オーストリア 100万ユーロ 毛布2万枚、ゼリー450缶
ブルガリア   ベッド168台
チェコ 20万5千ユーロ  
デンマーク   毛布25,340枚
EU人道援助局(ECHO) 1,000万ユーロ  
エストニア 20万ユーロ  
フィンランド 50万ユーロ 線量率機器50個、水容器130個、飯盒3,216個、スリーピングマット880枚
フランス   毛布23,000枚、ボトル水100トン、紙マスク10万枚、食料10トン、消毒ジェル、放射線線量計、放射能探知器、防護服、手袋、マスク、ホウ素100トン
ドイツ 63万ユーロ  
ギリシャ 10万ユーロ  
ハンガリー   食料16.7トン
アイルランド 100万ユーロ  
ラトビア 14万2,288ユーロ  
リトアニア   寝袋300個、毛布2,000枚
ルクセンブルグ 25万ユーロ  
オランダ 100万ユーロ スリーピングマット1,998枚
スロヴァキア 10万ユーロ Tシャツ1,000枚、ズボン1,000枚、シャツ1,000枚、プルオーバー1,000枚、靴1,000足、毛布1,000枚、テント14個、寝袋112個、キャンプ用ベッド112台
スロヴェニア 15万ユーロ  
スウェーデン   プラスチックブーツ296足、手袋1万セット、毛布7,030枚
英国 170万6,100ユーロ ボトル水103トン

 出典:欧州連合プレスリリース 2011年4月29日

http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=MEMO/11/261&format=HTML&aged=0&language=en&guiLanguage=en

駐日EU代表部ニュース
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2011/110429b.html

フォトギャラリー
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/audio/photo/110330.html?ml_lang=jp

  • In: Administration | Disaster
  • Comments Off on EU諸国からの支援続々と Tremendous Relief Efforts from European Countries

3月11日に東北太平洋地域を襲った大震災から早くも一ヶ月半が経とうとしている。被災地でも、復興に向けての動きが徐々に見えはじめてきた。ただ、今回の地震による津波の被害は、想像をはるかに超えるものであったため、一ヶ月以上たったいまでも、陸に打ち上げられた大型船や、土砂に埋もれた車、崩壊した建物の残骸が手付かずのまま放置されているのが現状だ。そういった被災地の映像を目の当たりにすると、復興への道のりは長く険しく、相当な忍耐力が要求されるだろうというのが率直な感想である。

ただ、この一ヶ月の状況を振り返ってみると、被災地への支援の動きは、日本全国からのみならず、EU諸国をはじめとする各国からも多く寄せられている。そして、特に注目したいのが、日本に駐在する各国大使館の動きである。

通常、大使館(職員)の役割というのは、その国に住む自国民の安全確保や、サポートが主な業務になるのだが、今回の震災では、日本の被災者支援という、通常の枠組みを超えた活動を、大使館員が独自に、また冷静に遂行してくれているのである。その温かい心遣いに感銘を受けたので、いくつかここで紹介したい。

メルビン駐日デンマーク大使は、震災直後の3月31日にみずから被災地、宮城県東松島市を訪れ、デンマークの船社ノルデン(Norden A/S)による1,500万円の寄付金を、すぐにでも使えるようにと現金にして市長に手渡し、また被災地の子どもたちには、LEGO社から寄付されたおもちゃを手渡して回った。また、4月1日には、デンマーク大使館のシェフが、東京ビックサイトに一時避難している被災者に対し、デンマーク流弁当を振る舞うなど、その迅速な決断と、被災者支援の強い思いに、胸が熱くなった。

そのほか、フランス大使館では「フランス炊き出し隊」を結成し、4月3日から9日まで、福島県郡山市に避難している被災者に暖かい料理を振る舞った。福島原発で不安な日々を送っている避難民の皆さんにとっても、一時でも現実を忘れて、食事で暖を取る機会となったであろう。

ベルギー王国大使館は、ベルギー観光局ワロン・ブリュッセルと共同で、被災した子どもたちへの寄付を目的としたチャリティー・マーケットを企画(4月23日)。入場料と売り上げの一部を、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを通じて被災した子どもたちのために寄付するという。

ここで紹介した支援はごく一部であり、全てを紹介できないのは残念ではあるが、EU各国の支援を受けて、われわれ日本人は復興に向けて前進しているということを忘れてはならない。
(さくら)

日本でも人気の絵本、ディック・ブルーナさんが描くミッフィー。東北地方太平洋沖地震で被災した日本の子供たちに向け、オランダからブルーナさんが朝日新聞宛てに、主人公のうさぎ・ミッフィーちゃんのイラストを送ってくれたそうです。

普段、絵本の中では、赤や黄色の明るい色のワンピースを着ているミッフィーちゃんですが、今回、ブルーナさんは鉛筆で、あえて色は付けずに描きました。そして、ミッフィーちゃんの頬には涙が2粒、伝わっています。絵を見ればブルーナさんの深い悲しみや、日本の子供たちを心配するブルーナさんの温かい気持ちが伝わってきます。

オランダでは、チャリティーコンサートも行われます。アムステルダムで4月1日に、「SOS Japanチャリティーコンサート」が開かれます。このプロジェクトは、1995年の阪神淡路大震災で被災した日本人が立ち上げました。神戸は日本各地の支援を受けて復興した、その支援に対する感謝の気持ちから、今回少しでも役に立ちたいという思いから発足しました。

この企画の趣旨に賛同して参加するのは、ジャズ・ピアニストのバート・ファン・デル・ブリンクさん、ラテン歌手のデニース・リヴェーラさん、ギタリスト白石怜さんがメンバーの一員でもあるロックバンドのNiCad、そして、ナイトフライト・トゥー・リオが参加します。
(モコちゃん)

朝日新聞記事
http://www.asahi.com/special/10005/OSK201103260148.html

SOS Japan チャリティーコンサート

日本に未曾有の大被害をもたらした東北地方太平洋沖地震。被害を受けられた皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

阪神・淡路大震災以降、日本では耐震実証実験の必要性が訴えられてきました。それ以前も、縮小模型を使っての実験や、壁や柱といった建築部材ごとの実験は行われてきましたが、あくまでもシミュレーションとしてのデータ。阪神・淡路大震災では、データ上、倒壊しないはずの建造物も倒壊しました。そこで、実大規模の構造物を実際に破壊し、破壊メカニズムの解明や耐震補強効果の検証を行うことができる研究・実験施設として、2005年に設置されたのが実物大三次元振動破壊実験装置・E-ディフェンスです。世界最大で、かつ唯一の実物大の震動研究施設であるE-ディフェンスを使って、実際の構造物が地震の際に、「どう壊れるのか」、「どこまで壊れるのか」、「なぜ壊れるのか」を明らかにする研究が行われています。

このE-ディフェンスを用いて、ヨーロッパで開発されたクロスラミナパネルの実証実験が行われたことがあります。クロスラミナパネルとは、厚さ2cm程度の木材を交互に隙間無く貼り合わせた厚さ7cmから20cm程度の集成パネル。ドイツで開発され、ヨーロッパでは、中層規模のホテル、共同住宅等で壁や床に用いられ、普及しています。クロスラミナパネルを用いれば、木造でありながらも、従来のヨーロッパらしい重厚さを持った建築物を建設することができます。E-ディフェンスを用いた実験は、イタリア北部アルプスの南に位置するトレンティーノ自治州にあるイタリア国立樹木・木材研究所との共同研究の一環として行われました。イタリアは日本と同じように、地震、火山噴火といった自然災害に幾度となく見舞われています。

クロスラミナパネルを用いた7解建木造建築物を実際に組み立て、E-ディフェンスで耐震性能を調べたところ、結果は良好で、十分な耐震性能を確保し得ることが確認されました。また、不燃材料で被覆することにより、耐火性能が確保されることも確認されています。

強度の弱い木材を有効利用できるクロスラミナパネルは、次世代の建築資材として世界各地から注目を集めています。

私たちは今回の地震で自然災害の脅威を思い知らされました。ただ、今回の地震においても、耐震構造の確立に向け、尽力した人たちのおかげで、救われた命も少なくなかったと思います。自然災害に備えるにはグローバルな協力関係が不可欠です。今後も、こうした日本とヨーロッパとの共同開発が続くことを願っています。

独立行政法人防災科学技術研究所のHP(クロスラミナパネルの実証実験の映像が掲載されています)


自由で活発な発言を歓迎します。

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