こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

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前回(2010年南アフリカ大会)のサッカー・ワールドカップの覇者はスペイン。では、現在のFIFA(サッカー)世界ランキングのトップはスペインか?
いや、なんと、オランダである!

8月24日に発表されたFIFAの最新のランキング表の最上段に「オランダ」の国名があり、オランダ地元メディアはこぞってこれをニュースに取り上げ、オランダ全体がオランダ初の首位獲得に沸いた。前首位国スペインの絶不調が、今回の「オランダ首位」の大きな原因とみられている。

実は、世界大会で優勝したことのない国がFIFAランキングで1位になったのは今回が初めてである。これまで、アルゼンチン、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、スペインがトップの座に就いたが、オランダは世界王者にならずして7か国目の世界のトップとなった。

これだけを聞くと、オランダは“棚からぼた餅”で1位になったようにも見える。いや、まさにその通りかもしれないが、オランダはかなり以前からサッカー強豪国であり、世界大会でも善戦している(1974、1978、2010年の3度のワールドカップ準優勝)。

また、ヨハン・クライフ(妙技「クライフ・ターン」の考案者)やルート・フリット、フランク・ライカールト、マルコ・ファン・バステン(1980年代後半~90年代前半のイタリア・ACミラン黄金時代の立役者「オランダ・トリオ」)などの名選手を輩出した国でもある。

オランダ育ちの筆者としては、「ようやくランキング1位になった!」という深い感慨こそあるが、やはり“無冠の帝王”にとどまって欲しくないという強い思いがまさってしまう。2014年のブラジル大会ではぜひその実力を証明してもらいたいと願っている。(じょぎんぐまん)

・参照したオランダ紙(AD)インターネット記事
http://www.ad.nl/ad/nl/1001/AD-Sportwereld/article/detail/2862640/2011/08/24/Nederland-beste-ter-wereld-zonder-wereldtitel.dhtml

「FIFAサイト」
http://www.fifa.com/

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ロンドンで6日夜に発生し、バーミンガムやリバプール、マンチェスターにまで拡大した若者の暴動。フランス人なら誰しも、全国の都市郊外に暴力が吹き荒れた2005年11月を思い出さずにはいられない。

このときも、発端は警官に追われた移民家庭出身の若者が死亡する事件だった。暴動はパリ郊外ではじまり、やがて地方都市の郊外へと飛び火。おもに路上に駐車した自動車が放火のターゲットにされ、9000台以上が燃やされた。沈静化するまでにほぼ3週間を要したが、警察が「平常通り」と宣言した夜に放火された車の数は98台だった。つまり、一晩に百台くらいの自動車に火がつけられるのは「日常」だったのだ。 

 当時は、海外のメディアがこぞってフランスの都市郊外の「ゲットー化」を指摘した。お隣のイギリスも同様で、そのときはフランスと比較して、自国の移民統合政策が成功していることを暗に誇るような書き方もあった。

古くからイギリスに対抗心を抱くフランスだけに、今回はメディアもここぞとばかりに反撃するのだろうかと思い、ル・モンド紙の社説を見てみた。

同紙は、暴力の急激な連鎖反応という「見かけは似ている」が、背景は「まったく同じとは言えない」と指摘する。フランスでは郊外のもっとも荒廃が進んだ地区で若者が暴発したのに対し、今回のイギリスの場合は、多様な民族、社会階層の住民が混在する地区だった。貧困層と富裕層が共生≪しているかのように見えた≫地区で、格差という現実が「残酷なまでに白日の下にさらされた」のが今回の事件だったというわけだ。

もちろん2つの暴動には、共通の根がある。どちらも「社会の落ちこぼれ」の反逆であり、その≪社会≫とは、もはや彼らに居場所も未来も与えることができなくなっている。家庭、学校、社会から見放された彼らに、「失うものなど何もない」のだ。

そしてル・モンドは、2つの国の政府がとった対応も同様に場当たり的、と嘆く。政治家たちは「法と秩序を守る」ことばかりを優先した。少なくともそのようなレトリックを用いた。「これは単に若者の非行問題のエスカレートである」と片付け、治安の強化に邁進するならば、問題の根を取り除いたことにはならない。暴動から6年近くを経て、いまなお状況に大きな改善が見られないフランスならではの指摘と言えるだろう。
(ル・ジュスティシエ)

〔CC : A.J.〕 2005年11月2日深夜から3日未明にかけて放火された自動車(パリ郊外セーヴル市)

 

【参考記事】
Le Monde, « Tottenham-Clichy, les révoltés du “no future” »

  「経済犯罪」容疑で拘束されていた、芸術家で人権活動家の艾未未氏が22日、80日ぶりに釈放された。

  同氏の拘束事件に対する欧米の関心は高く、釈放直後の当人に取材した英BBCなど、欧米の各メディアが釈放を速報。国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルは「艾氏の保釈は大きな前進だ」とのコメントを発表した。

 拘束後いち早く艾氏の釈放を訴えたEU議会も、艾氏の釈放を受けて、「経済犯罪」を名目に政治的な抑圧を行うのは人権侵害だと中国政府を非難した。まるで艾未未氏が悲劇のヒーローとの扱いだが、当の中国市民の見方は冷めている。

 艾氏は著名な詩人の艾青氏の御曹司。北京五輪のメインスタジアム「鳥の巣」の設計にかかわった芸術家とされるが、中国市民からは、芸術的才能より出自の良さのため名前を連ねているに過ぎないとみられているふしがある。

  なにより今回の身柄拘束の理由とされた「経済犯罪」は2千万元(約308万米ドル)の巨額脱税容疑で、どうやら事実らしいのだ。同氏の個人資産も5千万元(約750万米ドル)と推定され、身分、財産ともに一般の中国市民からは雲の上の人なのである。

 雲の上の人が、人権擁護活動に熱心だったとしても、普通の中国市民にとって何の現実味がなく、ほとんど共感は呼ばないと思う。しかも、脱税した金持ちだとすれば嫌悪感すら呼ぶだろう。だから、中国当局も安心して身柄を拘束できたし、釈放する気にもなれたのだ。

  BBCが速報し、EU議会が中国政府を批判したとしても、中国市民の多くは反感を覚えると思う。艾氏が捕まるのは構わないが、外国人に自分の政府が非難されることの方が不愉快なはずだ。ならば、欧米は艾氏を持ち上げることで、何を実現しようとしているのか。欧米が中国政治に求める理想と、現実の中国社会との間に、大きなギャップがあるように思える。

「欧州・中国青年交流年」の今年、ブリュッセルのEU委員会本部ビルで2月25日から写真展「中国の物語」が始まった。米国で活躍中の写真家、趙輝氏の作品で、中国の伝統文化や少数民族などを写した64枚が展示された。

 中国は、平和的なイメージを広めようとソフト・パワー戦略に懸命で、胡錦涛国家主席が訪米した今年1月にはニューヨークのタイムズ・スクエアの巨大ディスプレイで中国の美女、スポーツ選手、映画監督ら「中国の顔」59人が登場する長さ1分のショートフィルムを1日300回放映した。ところが、押しつけがましい時代遅れの宣伝だなどと米国人の反発を買い評判は良くなかった。59人に米国籍が3人もいたため「中国人の目標は米国人になることか」などとからかわれた。

 中国は最近、力にものを言わせる国のイメージが強いので、官製のPRは控えめな方がむしろ好まれよう。そうすれば趙輝氏が米国在住であることぐらい、大目に見てくれると思う。(しおせんべい)

先日、ついにムバラク大統領の辞任に至ったエジプト情勢ですが、日本のテレビニュースでの報道が海外のテレビ局に比べて少なかったため、世界情勢への関心が強い人はCS/CATVのBBCやCNNを見たり、インターネットでアルジャジーラの英語放送を見ていた人が多かったようです。私もムバラク大統領辞任発表直後のニュースを、テレビはBBCやCNNをつけながら、iPadではLivestationというウェブサイトでアルジャジーラ英語放送を見ていました。

私は今回初めてLivestationというサイトを知ったのですが、このサイト、実は欧州のニュースを知りたい人や言語を勉強したい人にもおススメです。というのも、Livestationではアルジャジーラだけでなく、世界のいろいろな国のニュースチャンネルが配信されており、その中には欧州発のニュースチャンネルがいくつかあるからです。Livestationで視聴できる欧州発のニュースチャンネルは、DW(ドイチェ・ヴェレ)France 24などテレビとラジオを合わせて8つ(下記リスト参照)。このうちeuronewsは9言語、EU加盟国の言語に限っても6言語で放送されています。日本語で放送するチャンネルがないのが残念ですが、欧州の最新の動きや世界情勢に関する欧州の立ち位置を知ることができるので、ぜひ1度ご覧になってはいかがでしょうか。(PAZ)

Livestationで視聴可能な欧州発ニュースチャンネルBBC Persian TV(ペルシャ語)
BBC World Service(英語)
DW-TV(英語/ドイツ語)
DW-Radio(英語/ドイツ語)
euronews(英語/ドイツ語/フランス語/スペイン語/イタリア語/ポルトガル語/トルコ語/ロシア語/アラビア語)
France 24(英語/フランス語/アラビア語)
RFI Afrique(フランス語)
RFI Monde(英語/フランス語)

早稲田大学キャンパス

11月25日、早稲田大学で開催された国際セミナー『死刑制度:世界から見た日本』を傍聴した。日本で今年裁判員制度が導入され、裁判員による採決で死刑判決が出るなど、死刑制度のあり方に一般市民の関心が集まっている。会場では学生を中心に多くの聴衆が熱心に話を聞き、質問を寄せていた。

基調講演を行ったロジャー・フッド オックスフォード大学名誉教授は、ここ20年の世界の新しい潮流を具体的な数字を用いて説明した。つまり、1980年代終わりから、冷戦終結による東側諸国の体制移行、またアフリカの旧植民地の国々の民主化、そして国際的な取り決めによる人権の尊重といった要素により、死刑制度を正式に廃止している国は今や世界の3分の2以上となり、制度上はあっても執行していない国々の数も増えているそうだ。

英国NGOで死刑囚の人権擁護のために活動を行っている弁護士は、死刑制度では、判決が出てから何十年にもわたって監獄の中で執行を待つこと自体も残酷だとし、この制度があらゆる面で非人道的だと説明した。

死刑制度の研究者、布施勇如{ふせ・ゆうすけ}氏は、日本で採用されている絞首刑が合憲かどうか(残虐な刑罰に当てはまらないのかどうか)の議論さえもないことを指摘、節度ある執行方法かどうかを基準とした米国の例をあわせて紹介した。

参加者から出た死刑の犯罪抑止効果についての質問に対し、多くの犯罪は後先を考えずに犯される場合が多く、死刑になるから犯罪を犯さない、という論理はなりたたないとのこと。一方で、死刑宣告を受けたいがために殺人を犯す例も少なからず起きており、その意味で死刑が逆に犯罪促進効果になっているとの話もあった。

ヨーロッパをはじめとする死刑制度廃止を求める考え方の根底にあるものは、有罪となった人の人権、人間としての尊厳を守ることである。どんな犯罪を犯したか、ということとは区別して考えており、今日では被告の死刑に反対する被害者家族の団体もあるそうだ。死刑はまた別の遺族を生むだけだ、との考えがそこにはある。

現場を知る専門家の話を聞き、私自身、法律上の刑罰とはいえ、人の死を他人が決めるということについて、真剣に議論すべきだと感じた。 (みかん、写真も)

EUIJ早稲田
http://www.euij-waseda.jp/news/the-death-j.html

The Death Penalty Project
(死刑判決を受けた人々の人権の促進、擁護に取り組む英国の非政府組織)
http://www.deathpenaltyproject.org/

死刑廃止デーのEUの声明(2010年10月8日)
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2010/101008.html

EUの日本での死刑執行についての声明(2010年7月28日)
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2010/100728b.html

キャパの名を知っている人は多いと思う。20世紀、5つの戦争を取材したハンガリー出身の報道写真家で、彼にちなんで報道写真を対象としたロバート・キャパ賞もある。私は最近、たまたま伝記を読んだ。「キャパ その戦い」(文春文庫/リチャード・ウィーラン著/沢木耕太郎訳)。戦線を駆け巡った時期のキャパの評伝だ。

たまたま、というのは、月刊誌「文芸春秋」10月号をめくっていたときに、「キャパの世界、世界のキャパ」というコーナーに2枚のポートレイトがあったからだ。沢木氏が十数年前のことを回想している内容になっている。

戦時中にあれほど人間味あふれる表情をとらえた写真から、私たちは逆境に耐えるアートの力を感じると思う。また、そのような表情を写した写真家はどのような人物だったのだろう。彼の写真同じく、彼のポートレイトで分かるように、撮られているものは映画の一場面のようだし、登場するのはどこかの俳優のようでもあった。その伝記の中には、世界中の人と友だちになり、ピカソやヘミングウェイらとの華やかな交友関係の中で、戦線に赴いたキャパのドラマチックな生き様を伺い知ることができるのだが、何よりも印象に残っている部分が2つある。一つは、スペイン(スペイン内戦下)と中国(日中戦争)で多くの人が戦火を逃れている光景を目の当りにする部分。そしてもう一つは、映画のシーンのようなことが実際に起きているのか、実際に起きている光景が映画のシーンになっているのか不思議な錯覚に陥っている部分だ。キャパは、その目で見た“幻想のような惨事”の現実をシャッターという世界に閉じこめて、現代の私たちに残しているのではないかと思う。(くるみ)


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