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背が高く、花弁も大きいひまわりは、その形や色が太陽のような印象を与えるだけに夏を感じさせ、心を浮き立たせてくれる。そのひまわりだけが集中的に植えられた場所がスペイン・アンダルシア地方にあり、丘陵一面に広がった黄色い花畑は圧巻だ。だが、当然のことだが、見られる時期が限られるのが難点だ。

イベリア半島の南端の都市セビリアから主要道路でコルドバに向かう途上にカルモナという町がある。この辺りは、なだらかな丘陵地形のままに一面ひまわりが植えられている。開花の最盛期は6月から7月にかけてで、アンダルシアの乾いた空気、澄んだ青い空とマッチして、花の鮮やかさが一段と増すという。

私がここを訪れたときは3月だったので、残念ながら、まだ背丈の伸びない緑の草が生えているだけ。ガイド氏は「この丘陵を見、形状を記憶したあとに、目をつぶって黄色いひまわりが満開になった光景を想像してください」などと言うが、虚しさを増すばかりだった。

スペインで経験できなったせいか、“見渡す限り一面のひまわり”という光景に過度のあこがれを持った。そこで、「日本にもないか」と探したら、意外にもかなりの数で存在していた。特に、広大な土地がある北海道の北竜市には約19ヘクタールに100万本以上が植わっている「ひまわりの里」があり、ここが日本一の規模。さらに名寄市には、12ヘクタール、約70万本の畑がある。

関東近辺にも中規模のひまわり畑が数多く、やはりこの花への思い入れを持っている人が多いことを物語っている。その中でも比較的有名な新潟県津南町の「ひまわり広場」を見てきた。信濃川沿いの段丘、沖の原台地にあり、休日でもあったので大勢の観光客で賑わっていた。

ただ、写真で見るカルモナのひまわり畑とは少し違う。思うに、その原因は気候だ。やはりひまわりは、乾燥した地中海気候の青空の中がいちばん似合うのでは。(日暮らし)

http://www.idemitsu.co.jp/moconet/archives/spot/hana2003/line1.html 

http://www.himawaribatake.net/list.php

http://www.geocities.jp/cocotabi_cafe5/spain.html

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「アルハンブラの思い出」というクラシック・ギターの名曲がある。その曲名を聞いただけで、思わずトレモロを伴ったメロディーが頭の中をよぎるのは、それだけ印象深いからであろう。アルハンブラとはもちろんスペインのグラナダにある宮殿のことだが、いったい「思い出」というのは、どんな意味があるのだろうか。

イベリア半島南部アンダルシア地方は、8世紀から15世紀にかけてイスラム人によって支配され、アルハンブラ宮殿は13、14世紀、グラナダを都としたナスル王朝の時代に造られた。小高い丘の上にある宮殿の名は、アラビア語の「アル・ハムラー(赤いもの)」に由来し、赤い城砦を意味するという。
その名の通り全体的に褐色かかった宮殿は、夜間にライトアップされると、ヨーロッパで普通に見られる城砦とはまた一味違った、幻想的な雰囲気をかもし出す。私も深夜に、対岸の丘に浮き上がった宮殿を見たとき、旅の疲れが吹き飛んだ。

キリスト教徒の逆襲であるレコンキスタで、イスラム教徒がイベリア半島から駆逐されると、この建物にもヨーロッパ風の手が加わる。モスクは教会に変わり、礼拝堂や修道院も新たに造られた。このため、アルハンブラ宮殿が一段と魅力的なのは、ヨーロッパ調とアラビア風という異文化の融合にあるからかも知れない。

「アルハンブラの思い出」を作曲したフランシスコ・タレガは19世紀後半の人だから、もちろん魅せられたのはライトアップされた風景などではない。実は、宮殿内パティオ(中庭)にあるライオンの噴水を気に止めたようだ。溢れ出る水を見て、彼はトレモロをイメージし、作曲への意欲をかき立てたといわれる。

では、タレガが言う思い出とは何だろう。これに対する明確な答えはない。察するに、「思い出」というよりむしろ「思い」ではなかろうか。宮殿、その周辺風景の美しさのみならず、この宮殿が持つ歴史的な重みなどすべてに感動して、すばらしいメロディーに「思い出」と名付けたに違いない。(日暮らし)
 

http://www.suerton.com/essay/essey%20no.2/no2-2.html


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