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ローマ市北東部の広大な公園の中にあるボルゲーゼ美術館は、名門ボルゲーゼ家出身のシピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿(1576-1633)の別宅として建てられ、今日、彼が集めた美術作品のコレクションが展示されています。ローマ教皇庁の最高顧問として絶対的な権力者であり、また17世紀を代表とするパトロンとしてカラヴァッジョなどの才能を見出しました。美術館にはあらゆる資金・ルートを通して集めたルネサンスからバロックまでのコレクションが収集されており、その一部が4月4日まで日本でも公開されていました。

ルネッサンスを象徴するポップで色鮮やかな作品は、ボッティチェリの「聖母子、洗礼者ヨハネと天使」。柔らかくて魅力的な表情が印象的だった「レダ」とブレシャニーノ「ヴィーナスとふたりのキューピッド」。ほかにもアメリカ大陸発見やキリストと地動説を描いた作品など、いずれも彩り豊かでユニークな構図が目を引きます。

カラヴァッジョの「洗礼者ヨハネ」、バリステッロの「ゴリアテの首を持つダヴィデ」は、光による明るさを意識した仕上がりが見事。

また、江戸時代初期に仙台藩主伊達正宗がイスパニアとの通商を目的に派遣した支倉常長がローマ教皇に謁見した後にボルゲーゼ家で歓待を受けた際の肖像画が残されています。白いシルク地に草花などをモチーフにした金銀の刺繍が施された服装・姿から日本の通商の史実に新たな一面を感じました。

ふくよかな表情が印象的なシピオーネ枢機卿の胸像。ボルゲーゼ美術館そのものが芸術作品のように佇んでいます。(くるみ)

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400年前、ルネサンス終焉の時期に写実描写的作品を生み出したミケランジェロ・メリージ・ダ・カラバッジョは、イタリアバロック絵画の先駆者となり、残された名画は光と影によるコントラストで知られる。映画「カラバッジョ 天才画家の光と影」は、まさに彼の人生と作品を描いている。

音楽、映像制作にもイタリアの才能を結集させ、アート感だけでなく、時代背景も十分楽しめる映画となっている。監督はアンジェロ・ロンゴーニ、音楽はアカデミー賞を3度受賞したヴィットリオ・ストラーロ、音楽は「イル・ポスティーノ」でアカデミー賞を受賞したルイス・バカロフが担当。ローマ美術監督局最高責任者のクラウディオ・ストリナーティと美術史家マウリッツオ・マリーニが監修した。主役のカラヴァッジョはアレッシオ・ボーニが演じている。

絵に「光」を取り込むことになった秘話のシーンや、新教皇に献呈する「ロレートの聖母」を描くのに愛する女性をモデルにしたことを咎められてローマから流転するシーンに、光と影が映像に効果的に用いられている。

カラヴァッジョは、聖人も人間と考え、「聖マタイと天使」を描き、教会から拒否されている。このため、彼が描写する絵からは、“世俗的な人間”“聖人”、どちらともつかない人間のイメージを感じることができる。

映画の最後はゲーテの一説でまとめられている。その言葉とは、「カラバッジョが苦悩した、短い生涯で制作された作品は永遠性を持っている」。(くるみ)


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