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Posts Tagged ‘レンブラント

東京・上野の国立西洋美術館の特別展「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」に行ってきた。だいぶ前にチケットを入手していたが、気づけば展示会の最終日が翌日に迫っていた。最終日当日の朝、JR上野駅(公園口)の改札を出て上野公園に入り、開館を待ちわびる長蛇の列に加わった。同展示会に出品されたレンブラントの作品は、『自画像』などの版画が中心だった(多くは西洋美術館やアムステルダム・レンブラントハウスに所蔵)。意表を突く訳ではないが、ここではレンブラントの作品ではなく、彼の名前について書きたい。

言うまでもなくレンブラントは17世紀オランダの大画家で、その代表作『夜警』(アムステルダム国立美術館所蔵)は世界で最も有名な絵画の一つだ。しかし、「レンブラント」が実はファーストネーム(名)であることは、意外に知られていない。ちなみに、レンブラントのファミリーネーム(姓)は、ファン・レイン(van Rijn)である 。

レンブラント・ファン・レインがファーストネームである「レンブラント」で広く知られるようになったのは、彼が自分の作品に「レンブラント」とだけ署名したことが非常に大きかった、というのが通説だ。レンブラントはラファエロやミケランジェロといったイタリアの偉大な先人たち――彼らもファーストネームで世界中の人々に知られている――に倣った、と指摘する研究者もいる。

26、7歳のとき、レンブラントはRembrant(オランダ人の一般的な男子名)にdを加え、Rembrandtと署名することを始めたという。オランダ版オンライン・エンサイクロペディア「ENCYCLO」によると、Rembrandtには「剣術指南」という意味が含まれているそうだ。「ファン・レイン」よりも「レンブラント」のほうが響きが勇壮でインパクトもあると常日頃思っていたところに今回「レンブラント」の意味を知り、「なるほど!狙っていたな」と一人で合点した。
(じょぎんぐまん)

レンブラントハウス(アムステルダム)
http://www.rembrandthuis.nl/cms_pages/index_main.html

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川村記念美術館のロスコルーム Photo by Osamu Watanabe (c)Kawamura Memorial Museum of Art

海の日に、川村記念美術館へ行ってきた。かなり前から気になっていったのだが、自宅から遠い千葉県佐倉市にあるので、つい行きそびれていたのだ。
この美術館で是非とも観たいと思っていたのは、「ロスコ・ルーム」。この部屋は、20世紀美術の巨匠マーク・ロスコ(1903-1970)の〈シーグラム壁画〉と呼ばれる連作30点のうちの7点を展示したスペースだ。なかでも大きなものは、その横幅が4.5メートルにも及ぶまさに壁のように巨大な作品となっている。そこには、抽象画の極致というか、大画面に深い赤茶色やオレンジ、黒を基調とした色彩が雲のように茫漠と広がっている。7点の作品に囲まれて、同じ空気を呼吸しているだけで、何か不思議な気持ちになってくる。

川村記念美術館のニューマンルーム Photo by Osamu Watanabe (c)Kawamura Memorial Museum of Art

そしてこの部屋と対照的なのが、「ニューマン・ルーム」。こちらは、ロスコとともにアメリカの抽象表現主義を代表するバーネット・ニューマン(1905-1970)の作品が一点だけ展示されている。《アンナの光》と呼ばれる作品で、高さ2.8m、横幅6.1mという大きな画面に、強烈な赤い色彩が塗り込められている。その両端が白い矩形に塗られている以外は、幾層にも塗り重ねられた赤と対峙することになる。この日は夏の強い陽射しが窓から入り込み、部屋全体に光の気配が満ち溢れ、深い霧の中に佇んでいるような「ロスコ・ルーム」とのコントラストが一層鮮やかだった。

ここではその他にも極めて魅力的な作品が数多く展示されているだけでなく、周囲の自然環境の良さもあって、都内の美術館では味わえない充たされた時間を過ごすことができた。中でも、最も衝撃的だったのが、レンブラント(1606-1669)の《広つば帽を被った男》との出会いだ。この作品だけ、小部屋のようなスペースに展示されていたのだが、この肖像画を見た瞬間、打ち震えるような感情の昂ぶりを覚えた。

目の愉楽というのは、こういうことを言うのだろう。当時の裕福な商人が本当にその場にいて、こちらに微笑みかけているのだ。それは写真というモノの見方に慣らされた視覚には、とてもリアルで、新鮮な体験だった。レンブラントなんてこれまであまり意識もしていなかったけれど、こんな風に入り込まれてしまうと他の作品も気になってくる。

レンブラント・ファン・レイン 《広つば帽を被った男》1635年 川村記念美術館所蔵

この広つば帽を被った男性は、17世紀のオランダ絵画黄金期に活躍した巨匠への仲介役を買って出てくれたのだ。どうもありがとう、広つば帽さん。抽象画の優れたコレクションを誇る美術館に行って、大航海時代の具象画を発見するというのも皮肉な話だけれど…。(ロニ蔵)

川村記念美術館
http://kawamura-museum.dic.co.jp/


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