こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

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経済広報センターと日独センターの共催シンポジウム(9月30日)「日本再建~変貌する国際関係への視点も含めて~」についての続き。

基調講演を行った植田隆子・国際基督教大学教授は、中国が台頭しアジアへの関心が高まる中、かつての日米欧の勢力関係は時代に即しているのかというテーマを提起した。アジア太平洋地域はアメリカの影響が大きいためEUが参入できていないという現状があるが、偶発的な衝突で危機が高まる可能性のあるアジア太平洋地域においては、日米欧の関係は秩序やルール作りに貢献できる点があるとされた。そのために、安全保障対話の場を常設する必要と、その機能を東京に置くことで地域の安定が図られるのではとの結論だった。最後にヘンリー・キッシンジャーが中国の存在を大戦前におけるドイツの台頭になぞらえたことを引用されて話を終わられた。今日の国際関係の類似が過去の世界史の中に見い出せるとするなら、今日との比較事例として大いに参考になるということか。

現場をよく知る方々からの冷静で客観的な意見や指摘が多く出されて、有意義なシンポジウムだったと感じた。(くるみ)

【リンク】
日独センター
http://www.jdzb.de/

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これは多くの人が持つ素朴な疑問ではないだろうか。国際問題研究所で行われたEU日本政府代表部の植田隆子大使の講演の中で、機構上の変容について説明があったので紹介したい。

2009年12月のリスボン条約発効に伴い、これまで半年ごとの輪番制で加盟国首脳が務めていた欧州理事会(加盟国首脳会議)の議長職が常任制となり、最長5年の任期でファン・ロンパイ元ベルギー首相が就任したのは、これまで報じられているとおりだ。大統領と言う呼び名はあくまでも通称で、フランスや米国の大統領のような執行権限はなく、27の加盟国をまとめる調整役として、EUが進む針路の舵取りをしていく。

もう一つの新しい役職は、外務・安全保障政策上級代表だが、これまでソラナ上級代表が担当した安全保障分野とフェレロ=ヴァルトナー委員の担当した対外関係を、アシュトン上級代表が1人で担うことになった。こうすることでこれまで別々であった軍隊・警察ツールと開発援助ツールを1本化して有効に活用することができる。新任アシュトン代表を支えるのは、新設された欧州対外活動庁だ。

理屈上はなるほど、と思えるが、実際1人の人間が行う仕事量としては半端ではない激務なのだそうだ。そうでなくても前任ソラナ代表は1週間に100時間働くと言われていた人物。そしてフェレロ=ヴァルトナー委員の仕事も域外出張の多い仕事。加えて、上級代表は対外活動庁のトップとして、予算・規則・会計制度・トップ人事・機構作りを5年の任期中に整えなければならない。

さらに、約130ある代表部の大使選出の際は、今年新しくなる駐日代表部大使も含め、アシュトン代表が自ら面接を行うそうだ。それでは1週間に200時間働いても足りないのではないだろうか。あまり無理をされないで、なんとかハードワークを乗り切ってもらいたいものだ。EUの挑戦を遠くから応援したい。
     (みかん)

駐日欧州連合代表部広報誌『ヨーロッパ』2010年冬号 質問コーナーでもリスボン条約について取り上げています。
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/magazine/2010/10winter.html

欧州理事会常任議長のページ
http://www.european-council.europa.eu/the-president.aspx

欧州理事会外務・安全保障政策上級代表のページ
http://www.consilium.europa.eu/showPage.aspx?id=1847&lang=en

対外活動庁のページ
http://eeas.europa.eu/

EU日本政府代表部の植田隆子大使による講演を、国際問題研究所で聴きました。大使は、欧州の安全保障の専門家であり、現在はブリュッセル外交の現場からEUの政治・外交を見ていらっしゃいます。EUの対外政策については、以下のような内容でお話をされました。

リスボン条約が2009年12月に発効し、EUは新たな体制で動き出した。ファン=ロンパイ欧州理事会常任議長、アシュトン上級代表(外務トップ)が就任して初めての域外国との首脳会議は、2010年4月28日の日本とのサミットだった。

EUは今、加盟国共通の立場で発言して国際社会でのプレゼンスを高め、対主要国外交を強化しようとしている。インドや中国など新興国が経済的な台頭を見せ、先進国は経済的、政治的な影響力を低下しつつある。しかしEUとしては、世界は懸念されるように米中のG2体制に向かうことはないと考えるし、国連やNATOといった国際機関とうまく連携して効果的なマルチラテラリズム(多国間体制)を築いていきたいと思っている。

ファン=ロンパイ議長は、80~90年代の貿易摩擦から始まった日EU間の経済関係の改善のみならず、官僚による各分野の実務対話にとどまらない、政治家同士による政治レベルでの関係に重みを持たせたいと考え、来日した。

1991年のハーグ宣言は、日米欧(EU)三極の全体の安定には、日欧関係の強化が重要であるとして提案された。当時は政治的な関心が低く発展することがなかったが、今年また、日本は主要戦略パートナーの一国としてEUから再発見されつつある。

大使のお話を聞いて、日本も、日米関係以外にもバランスよく気を配り、国際社会全体の中での立ち位置に目を向けて欲しいと思いました。                    (みかん)

植田大使紹介資料集
ブリュッセルで評判を呼んでいるEU米国関係論(環大西洋関係)
By Nick Witney (英国国防省出身)and Jeremy Shapiro (the Brookings Institution)
Towards a post-American Europe: A Power Audit of EU-US Relations

http://ecfr.eu/content/entry/towards_a_post-american_europe_a_power_audit_of_eu-us_relations_shapir/

ハーグにおける共同宣言
http://www.deljpn.ec.europa.eu/relation/showpage_jp_relations.political.hague.php

小和田恒氏によるハーグ宣言見直しの提言(2001年)
The Japan-EU joint declaration and its significance towards the future
Studia Diplomatica, Vol. LV: 2002, n°1-2: Japan – EU cooperation: ten years after the Hague Declaration (Under de direction of Takako Ueta and Éric Remacle)

http://www.egmontinstitute.be/FR/SD-2000-2002.html

ファン・ロンパイ常任議長による2010年2月25日、欧州大学院College of Europe(ベルギー・ブルージュにある官僚養成機関)での政策演説では、EUの世界観、外交方針が述べられた
‘Europe’s role and place in the world’

http://www.coleurope.eu/news/1980


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