こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

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国連気候変動枠組条約締約国会議(COP17)が11月下旬から南アフリカで開催される。2年前の2009年はデンマークで開催され、京都議定書後の合意に向けた討議で注目されたが、このCOP15と時期を合わせ、コペンハーゲン郊外のルイジアナ現代美術館で、「将来に向けたグリーン建築」と題して展覧会が開催されていた。持続可能な発展のためのユニークなアイデアが都市、気候、エネルギー代謝といった視点から紹介された。

この中に、フランスで活躍する建築家フィリップ・ラーム氏の手掛けた「大気中の家」という実験がある。これは、家の中を平面ではなく、気象情報のように高低ある大気圏で捉えて設計を考えたもの。温かい空気が天井まで上昇し、冷たい空気が足下に下がるのであれば、温かい温度が必要な部屋(たとえば浴室)を高めの位置に、低い温度でもよい部屋(台所など)を低い位置に置けばよい。家の中で大気を区切らない作りにすれば、室温調節は少なくて済むのだ。

2011年9月26日から東京で世界建築会議(UIA2011)が開かれた。この公開プログラムの中でラーム氏自らこの考え方を説明し、参加した建築家を始め、学生ほか一般聴衆の注目を集めていたので、改めてここで紹介したい。 (みかん)

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2011年3月2日、外務省の招待で来日した、エストニア、ラトビア、リトアニアの科学技術政策担当者によるセミナーが日本科学技術振興機構と外務省の共催で開催され、「産学連携とイノベーション」がテーマとなった第2部を傍聴した。印象に残った各国の昨今の事情を紹介したい。

エストニア国内の研究投資を分野別に見ると、2009年は36%が情報通信分野に向けられ、主要産業であることが見て取れる。一方で、同分野への外国直接投資は2010年9月時点で3.3%のみ。エストニア政府は産学連携を推進し、より創造的な経済の創出を目的として、中小企業向けに1社当たり3,200ユーロ相当のヴァウチャー(券)を発行し、研究機関のサービスを利用するよう推奨している。2010年春の評価では、90%の参加企業が協力関係を継続したいと回答した。(テア・ダニロフ経済通信省経済開発局長の発表より)

ラトビアの技術革新には歴史がある。例えば、1937年に世界最小と発表されスパイカメラとも呼ばれたミノックスカメラはラトビアで開発されたもの。そして今日では、製薬会社と研究機関の連携などにより、過去5年間で270以上の特許が登録されている。そうした最先端分野の一つに挙げられるのは、MADARAの有機化粧品だ。国際有機認定基準「エコサート」を取得しており、日本でも入手できる。(ヤーニス・スタブルニエクス ラトビアン・テクノロジカル・センター所長の発表より)

リトアニアでは、研究基盤の拡充に重点を置き、GDPにおける研究開発費の比率を上げることを目標にしている。レーザーや光技術、バイオ技術、持続可能化学やバイオ薬学、アグロバイオテクノロジーや生物エネルギー、海洋環境などの研究拠点として、5カ所のバレー(研究都市)を発展させていく計画だ。日本企業との連携も歓迎するそうだ。(ネリヤ・プチナイテ教育科学省副大臣の発表より)
(みかん)

日本科学技術振興機構
http://www.jst.go.jp/

外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html

MADARA
http://www.madara-cosmetics.lv/intl/

MADARA取扱業者「WAYS SHOP」

科学技術部長 フィリップ ド・タクシー・デュ・ポエットさん科学技術部長
フィリップ ド・タクシー・デュ・ポエットさん

生物工学の博士号を持つ科学者であるだけに、好奇心は旺盛だ。母国フランスで博士課程修了後、「新しい刺激」を求めてバブル最盛期の日本の大学で研究を続ける決心をした。

「当時は日本が世界を圧倒していました。何をしても上手くいく、そんなオーラがありました。その最先端の国を自分の目で見たかったのです。ヨーロッパで育ったので文化の多様性には慣れているつもりでしたが、実際日本に来て、勝手が違うことに気付きました。視野が大きく広がりました」

2005年から駐日EC代表部の科学技術部長を務めるフィリップさんは、日・EU間の全般的な”win-win”関係の構築に力を注いでいる。「日本人の目はどうしてもアメリカに向いてしまう傾向があります。しかし今や世界最大のマーケットはアメリカでも中国でもなく、EUなのです。お互いにもっとメリットのある関係を構築できるはずです」

日本の大学や企業の研究所に頻繁に足を運び、永田町(政界)と霞が関(官界)のポリシーメーカーにも日常的に会う。協力を深めるためにどの分野がふさわしいかを探るためにだ。「これからは草の根レベルでの交流がさらに重要になってくるでしょう。国境を越えた地方クラスターや研究者、教育者同士のネットワークがとても活発になってきています」

自分の国さえ栄えたらいい、という発想はグローバル化が進んだ今、もはや成り立たなくなっている、とフィリップさんは指摘する。「情報が集中するマルチの枠組みを作らないと取り残されていくでしょう。日本とEUはそのような枠組みの中で中軸の役割を果たすことが求められています。そのためにも人と人との交流が何よりも大切になるのです」(マイケル尊王寺)

EURAXESS Links Japan(在日EU科学研究者、及び日・EU科学技術交流ネットワーク)
http://ec.europa.eu/euraxess/links/japan/index_en.htm

サイエンス・アゴラ(科学と社会の係わりを考える科学技術専門家と一般人の交流イベント)
http://scienceportal.jp/scienceagora/agora2008/

日EU地域クラスターフォーラム(日本とEUの地域クラスター間の連携を推進するための情報発信)
http://cluster-japan.cluster.gr.jp/sympo/program02.html


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