こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

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EUの展示商談会「EU Gateway Program」のEuropean Designに今年も行ってきた。約40社が出展、来場者は2日間で約580名に上った。私が個人的に興味を持ったのは、デンマークのステルトン社。デンマークの家庭やオフィスでよく見かけたポットは、代表的なデンマークデザインといえる商品で、日本でも既に知られている。それにしても、なぜ今日本に?

主に卓上用品を製造するステルトン社は昨年2010年で50周年を迎えたデザイナー商品の老舗。デンマークのトップデザイナーであるアルネ・ヤコブセンエリック・マグヌセンのクラシックな作品から、日本人を含む現代デザイナーの作品までを取り扱う。輸出担当取締役のクリスチャン・エルネマン氏に話を聞いた。

2011-12年18色で展開するヴァキューム・ジャグ

国外での主な市場は英国や米国だが、今後は日本でもデパートを中心に販売を拡大していきたいとのこと。50年前にデザインされたマグヌセンのコーヒー・ポット(ヴァキューム・ジャグ)が今でも人気が高いのは、シンプルで、ストレートに機能を追求した、時代を超えた(Timeless)デザインだからだという。50年前にデザインされたヤコブセンのシリンダ・ラインは、現在を通り超え、未来を舞台にしたハリウッドのSF映画に違和感なく溶け込んでいたとか。

 

ポール・スミスとコラボしたシリンダ・ライン「ステートメント」

今年の展開は、前述のポットのカラーバリエーションが増えて登場。また、昨年の50周年記念に続き、英国のデザイナー、ポール・スミスとコラボレーションした新しいシリンダ・ラインを限定発売する。

伝統的な人気に満足することなく、基本を守りながら新しさも取り入れ、消費者の心をつかむこのデンマーク企業は、日本のファンをさらに増やすに違いない。 (みかん)

 

【このほか、European Designに出展していた注目企業】
● 屋外で使える家具を扱うドマーニ (ベルギー)
● ソファが人気のイーゴ パリス (フランス)
●大型家具ならファマ (スペイン)

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バワがオフィスとして使っていた場所は、現在カフェに。コロンボのギャラリーカフェ(内部)

スリランカの建築家ジェフリー・バワ(1919-2003)は、20世紀半ばから後半にかけて南アジアを中心に多くのリゾートホテルの設計を手掛け、「トロピカル・モダニズム」の旗手とも言われる。作品のいくつかを訪れ、現地の植物やフォークロアなタッチをうまく取り入れ、空間を大きく使ったモダンな建物は、初めて訪れた人でも快適に過ごせる印象を受けた。 

欧州の血を引くバワは、英国で法律を勉強し弁護士となるが、欧米各地を旅した後、英国に戻って建築の勉強を始め、30代後半で建築の学位を修める。デンマーク人建築家(ウルリーク・プレスナー)をパートナーとして建築事務所で仕事を始め、生涯に手掛けた作品の数は多い。ホテルのほかに個人邸、学校、そして国会議事堂に至るまで。 

ブルーウォーターホテル

当時の潮流、モダニズムを欧州で学び、スリランカの伝統も取り入れた設計は、「バワ・スタイル」としてその後のアジア建築に影響を与えていく。バワに影響を受けた次世代の建築家たちも英国やデンマークに留学し、母国に戻って教鞭をとっているそうだ。

 

ブルーウォーターホテルから海を臨む

バワを1番身近に感じることができるのは、ルヌガンガと呼ばれる彼の自邸だろう。バワは、ゴム畑だった広大な土地を買い取り、50年かけて理想郷を実現すべく様々な実験を試みた。彼が強くこだわったものの一つは景観だ。目の前からその先まで重なる景色。彼が自邸で最も気に入っていた景色も、シナモン・ヒルと呼ばれる丘から見えるそうした眺望。彼の遺灰は壺に納められ、この丘に安置されている。    (みかん、写真も)

ルヌガンガ。手前は日時計

                       

ルヌガンガ。バワの眠るシナモン・ヒル

                                                                                     

ルヌガンガ。壁はなく庭とその先の湖が見晴らせる

ベントータ・ビーチ・ホテル

  

 

 

 

 

 

 

(参考資料)
Blue Water Hotel
Bentota Beach Hotel
a+u No.489 (2011年6月) 特集:ジェフリー・バワ ― スリランカのエッセンス

夏も終わり秋の気配が濃厚になりつつあるが、夏にふさわしい小説に出会った(特にスリランカに出かけた私の今夏にとって)。マイケル・オンダーチェの書いた『家族を駆け抜けて』。この作家は、植民地時代にオランダからスリランカに渡ったいわゆる“バーガー”と呼ばれる入植者の家庭に生まれ育ち、イギリスに渡った後にカナダに移住。映画にもなった『イギリス人の患者』でブッカー賞を受賞している。 

この本は半自伝的小説で、カナダに住む主人公が十数年ぶりに1970年代のスリランカを訪れ、親戚や家族と話す中で、家族の物語を紡ぎたしていく1982年の作品。なぜ夏にふさわしいかといえば、文章からスリランカの生活の暑い熱気が伝わってくること。そして、休暇に親戚が集まって始まる家族の秘話。自分が生まれてもいない、もしくは幼かったときの両親や先祖の話が聞けるのは、こんな時だけだ。 

実際どこまで真実の話なのか、読者はわからなくなる。詩の中で描かれる情景も、異国情緒に溢れ趣がある。南アジアに暮らすヨーロッパ出身の家族には、それなりの苦労と驚くような物語があって、それらがユーモラスに語られている。お勧めの1冊。 (みかん、写真も)

主人公の家族が過ごすスリランカの避暑地、ヌワラエリヤの紅茶畑。


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