こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

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最近、欧州の女性リーダーが新聞やテレビによく登場しているのを目にします。9月、デンマークで女性初のシュミット首相が誕生。10月に入るとギリシア危機で欧州金融安定基金(EFSF)拡充案の批准をめぐって、スロバキア初の女性首相ラディツォバー氏が目立っていたし、ドイツのメルケル首相も欧州の金融危機のカギを握っています。

女性リーダーが取り上げられるのは、リーダーになるケースが男性よりもまれだからという印象が以前は濃かったのですが、最近は女性として自信を持って働く姿が印象的に映ります。フランスのクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事が7月就任直後に「私の姿を見て、若い女性たちが、『どんな人生の選択もできる』と勇気を持ってくれたらうれしい」とコメントしていたのを覚えています。これからを生きる若い世代にとって今の女性リーダーの活躍ぶりはどのような姿として心に残るのかと頭をよぎりました。女性リーダーが増えれば世の中が変わっていく気がします。(くるみ)

10月26日、27日の二日間、ヨーロッパのテキスタイル、デザイン家具、照明、テーブルウェアなどを一堂に集めた「EU Gateway Program」のEuropean Designという展示商談会が行われた。

ヨーロッパ各国からの作品の中で、特に私の目を引いたのが、デンマークの二つのブランドだった。

まず、紹介したいのが、aidaという食器ブランド。今回、aidaは、デンマーク人若手アーティスト、ポール・パヴァ(Poul Pava)とのコラボレーションで作品を発表。“誰のなかにでもある子供心”をコンセプトに活動するパヴァ氏の独創的なキャラクターは、幼い子どもが落書きして生まれたような、愛くるしさと、カラフルな色使いで、遊び心が満載だ。デンマーク食器のシンプルで、かつ機能性に富んだ特徴を考えると、一瞬、これはデンマークブランドなのか?と疑ってしまいそうだが、新しい風、そして若手デザイナーを起用する点からすると、なるほど、デンマークの自由さ、寛容さというものが生んだデンマークらしい作品だなと納得するところもある。

微笑んでパチリ。aidaの輸入元、新潟の佐藤商会の本多さんと、aida のExport Manager Overseas、Sören Klosterさん

次に、オーフス(Århus)というデンマーク第二の都市で生まれた、ウォールペーパーやクッション、テキスタイルなどのインテリア全般を扱うferm-LIVINGの展示ブースにお邪魔した。設立者は、こちらも若手アーティストのトゥリーネ・アンデルセン(Trine Andersen)。元々はグラフィック・デザイン事務所として2005年にスタートし、その後、グラフィック・アートを生活雑貨に取り入れて現在の形になったそうだ。会社のロゴには、アンデルセン氏の夢に出てきたという鳥がモチーフとして飾られている。どの作品も、とても温かみがあり、寒く長い冬を余儀なくされるデンマークの家庭に、ちょっとした安らぎを与えてくれそうな優しいデザインが施されている。展示会場では残念ながらお目にかかれなかったのだが、壁に貼るウォールペーパーは、ついこの間、パリに行ったときに、かわいさのあまり思わず購入したばかりだが、いただいたカタログを眺めているとついつい買い足したい気分になる。(さくら)

ferm-LIVINGのロゴには創立者の夢にでてきた鳥がモチーフとして施されている

個性あるキャラクターが並ぶferm-LIVINGのブース

EUの展示商談会「EU Gateway Program」のEuropean Designに今年も行ってきた。約40社が出展、来場者は2日間で約580名に上った。私が個人的に興味を持ったのは、デンマークのステルトン社。デンマークの家庭やオフィスでよく見かけたポットは、代表的なデンマークデザインといえる商品で、日本でも既に知られている。それにしても、なぜ今日本に?

主に卓上用品を製造するステルトン社は昨年2010年で50周年を迎えたデザイナー商品の老舗。デンマークのトップデザイナーであるアルネ・ヤコブセンエリック・マグヌセンのクラシックな作品から、日本人を含む現代デザイナーの作品までを取り扱う。輸出担当取締役のクリスチャン・エルネマン氏に話を聞いた。

2011-12年18色で展開するヴァキューム・ジャグ

国外での主な市場は英国や米国だが、今後は日本でもデパートを中心に販売を拡大していきたいとのこと。50年前にデザインされたマグヌセンのコーヒー・ポット(ヴァキューム・ジャグ)が今でも人気が高いのは、シンプルで、ストレートに機能を追求した、時代を超えた(Timeless)デザインだからだという。50年前にデザインされたヤコブセンのシリンダ・ラインは、現在を通り超え、未来を舞台にしたハリウッドのSF映画に違和感なく溶け込んでいたとか。

 

ポール・スミスとコラボしたシリンダ・ライン「ステートメント」

今年の展開は、前述のポットのカラーバリエーションが増えて登場。また、昨年の50周年記念に続き、英国のデザイナー、ポール・スミスとコラボレーションした新しいシリンダ・ラインを限定発売する。

伝統的な人気に満足することなく、基本を守りながら新しさも取り入れ、消費者の心をつかむこのデンマーク企業は、日本のファンをさらに増やすに違いない。 (みかん)

 

【このほか、European Designに出展していた注目企業】
● 屋外で使える家具を扱うドマーニ (ベルギー)
● ソファが人気のイーゴ パリス (フランス)
●大型家具ならファマ (スペイン)

国連気候変動枠組条約締約国会議(COP17)が11月下旬から南アフリカで開催される。2年前の2009年はデンマークで開催され、京都議定書後の合意に向けた討議で注目されたが、このCOP15と時期を合わせ、コペンハーゲン郊外のルイジアナ現代美術館で、「将来に向けたグリーン建築」と題して展覧会が開催されていた。持続可能な発展のためのユニークなアイデアが都市、気候、エネルギー代謝といった視点から紹介された。

この中に、フランスで活躍する建築家フィリップ・ラーム氏の手掛けた「大気中の家」という実験がある。これは、家の中を平面ではなく、気象情報のように高低ある大気圏で捉えて設計を考えたもの。温かい空気が天井まで上昇し、冷たい空気が足下に下がるのであれば、温かい温度が必要な部屋(たとえば浴室)を高めの位置に、低い温度でもよい部屋(台所など)を低い位置に置けばよい。家の中で大気を区切らない作りにすれば、室温調節は少なくて済むのだ。

2011年9月26日から東京で世界建築会議(UIA2011)が開かれた。この公開プログラムの中でラーム氏自らこの考え方を説明し、参加した建築家を始め、学生ほか一般聴衆の注目を集めていたので、改めてここで紹介したい。 (みかん)

バワがオフィスとして使っていた場所は、現在カフェに。コロンボのギャラリーカフェ(内部)

スリランカの建築家ジェフリー・バワ(1919-2003)は、20世紀半ばから後半にかけて南アジアを中心に多くのリゾートホテルの設計を手掛け、「トロピカル・モダニズム」の旗手とも言われる。作品のいくつかを訪れ、現地の植物やフォークロアなタッチをうまく取り入れ、空間を大きく使ったモダンな建物は、初めて訪れた人でも快適に過ごせる印象を受けた。 

欧州の血を引くバワは、英国で法律を勉強し弁護士となるが、欧米各地を旅した後、英国に戻って建築の勉強を始め、30代後半で建築の学位を修める。デンマーク人建築家(ウルリーク・プレスナー)をパートナーとして建築事務所で仕事を始め、生涯に手掛けた作品の数は多い。ホテルのほかに個人邸、学校、そして国会議事堂に至るまで。 

ブルーウォーターホテル

当時の潮流、モダニズムを欧州で学び、スリランカの伝統も取り入れた設計は、「バワ・スタイル」としてその後のアジア建築に影響を与えていく。バワに影響を受けた次世代の建築家たちも英国やデンマークに留学し、母国に戻って教鞭をとっているそうだ。

 

ブルーウォーターホテルから海を臨む

バワを1番身近に感じることができるのは、ルヌガンガと呼ばれる彼の自邸だろう。バワは、ゴム畑だった広大な土地を買い取り、50年かけて理想郷を実現すべく様々な実験を試みた。彼が強くこだわったものの一つは景観だ。目の前からその先まで重なる景色。彼が自邸で最も気に入っていた景色も、シナモン・ヒルと呼ばれる丘から見えるそうした眺望。彼の遺灰は壺に納められ、この丘に安置されている。    (みかん、写真も)

ルヌガンガ。手前は日時計

                       

ルヌガンガ。バワの眠るシナモン・ヒル

                                                                                     

ルヌガンガ。壁はなく庭とその先の湖が見晴らせる

ベントータ・ビーチ・ホテル

  

 

 

 

 

 

 

(参考資料)
Blue Water Hotel
Bentota Beach Hotel
a+u No.489 (2011年6月) 特集:ジェフリー・バワ ― スリランカのエッセンス

デンマーク映画界の鬼才で「ドグマ95」の創設メンバーでもあるトマス・ヴィンターベア(Thomas Vinterberg)監督の最新作『光のほうへ(Submarino』を先日鑑賞した。

この映画は、福祉先進国で国民幸福度第一位の国として知られるデンマークの「闇」を映し出した作品となっている。主人公はシングルマザーの家庭で育った兄弟。二人にはまだ生まれて間もない末の弟がいた。母親はアルコール依存症で、育児を放棄し定職にもつかず、文字通り家は荒れ放題だった。そんな母親に代わって、幼い弟に粉ミルクを飲ませるなど献身的に世話をする兄弟。だがある日、二人が目を離した数時間の間に、赤ん坊はベットの上で突然息をひきとってしまう。

十数年後、大人になった兄弟は、お互い連絡も取らず、それぞれ別の場所で生活をしていた。兄は刑務所から出所したばかりで、臨時宿泊施設に住み、ただひたすら体を鍛える日々を送っていた。一方弟は、男一人で息子を育てているのだが、薬物依存から抜け出せずにやがて深みにはまっていく…

幼い頃に起きた事件を封印するかのように、兄弟は互いに接触することを拒み、過去から目をそらす。その痛々しい姿が全編を通して伝わってくる。

コペンハーゲンの郊外に聳え立つグルントヴィークス教会

OECD加盟国の中でも貧困率は最も低く、貧富格差も少ないデンマークだが、この映画のように、「アルコール依存症」や「虐待・暴力」といった「社会の闇」に真っ向勝負した作品が多いのは、ある意味デンマーク映画の特徴と言っていいだろう。実際、私が昨年の夏、デンマークのコペンハーゲンを訪れた時も、「幸福な国」という先入観があったため目に入らなかったからなのか、街全体を見渡しても、貧困層が住むような地域があるようには見受けられなかった。

しかし一般の人々の様子を観察すると、そこまで裕福といった感じはなく、街行く人の表情からは「幸せいっぱい」といった明るい印象はあまり伝わってこなかった。むしろ、終始「無表情だった」といったほうが表現としては当てはまるのかもしれない。

とは言うものの、あくまでもこれは私の主観であるため、見る人によっては、それでも「世界一幸福な国」に映るのかもしれない。しかし、国内外の社会問題を真正面から取り上げ、その解決のために、自分たちはどう向き合うべきかを常に問いつづけるのがデンマーク人の特徴でもあると感じた。またそれは「幸福」の裏で隠れてしまいがちな天井のアーチが連なる独特の内装「闇」をあえてしっかりと見つめていこうとしている現われでもある。そういった常に社会に警鐘を鳴らし続けていく姿勢も、実はデンマーク人の国民性だったりする。

 余談ではあるが、映画のラストに出てきた教会は、昨年、デンマークの旅行中に出会った建物の中でも特に印象に残っている教会だ。実際足を踏み入れてみたのだが、とても厳粛な気持ちになれたし、心地よい光に包まれ、不思議と心が落ち着いていく感覚を覚えた。映画のラストシーンにふさわしい場所だと、妙に納得してしまった。(さくら)

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  • Comments Off on 寿司とオープンサンドのコラボレーション!? A New Fusion of Sushi and Open Sandwiches?

日本を代表する食べ物といえばお寿司。北欧を代表する料理といえば、オープンサンドウィッチ、ですよね?一見、それぞれ全く結びつきがないと思ってしまいますが、この二つが融合してできた料理があるのをご存知ですか?

見た目にも色鮮やかなスムッシー

 その名もスムッシー(Smushi)。ネーミングの由来は、日本の寿司と、デンマークのオープンサンド、スモーブロー(Smørrebrød)からきているのだが、このなんとも不思議なレシピは、コペンハーゲンにある、ロイヤルカフェ(the Royal Cafe Copenhagen)で誕生した。  

    
このスムッシー、実は日本でも食べられます。場所は東京銀座三越1階にある、ロイヤルカフェ(the Royal Cafe Tokyo)。コペンハーゲンにあるロイヤルカフェの2店舗目として、2010年9月に日本に初お目見えした。

 

ロイヤルカフェ(銀座)の店内の様子

お店に入った瞬間から、おとぎ話の国へ迷い込んだような錯覚を覚えるほど、なんともかわいらしい、北欧のデザイン空間が広がっている。食器もデンマークを代表するロイヤル・コペンハーゲン(Royal Copenhagen)や、ジョージ・ジェンセン(Georg Jensen)。ちょっとしたハイソな気分も味わえる。

食器も家具もデンマーク製

   スムッシーも、店内のインテリアに負けないほど、なんともメルヘンな装いで、とにかく食べるのがもったいない!スムッシーを知らない人が見れば、一瞬デコレーションケーキと間違えてしまうほど。その創作のすごさには圧倒されてしまう。銀座のロイヤルカフェでは、いろいろな食材を使ったスムッシーを数種類堪能することができる。

 今回は、ディナータイムのコース料理をいただいたのだが、お昼のメニューはもう少しリーズナブルな価格でお得感もあるのだそう。テラス席も用意されているので、初夏のこの時期、次回はランチで訪れてみたいものだ。 (さくら)

The Royal Cafe inCopenhagen(MONOCLE news report: “Yo Smushi”)http://www.monocle.com/sections/design/Web-Articles/Yo-Smushi/


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