こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

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6月28日(火)、EUIJ早稲田主催によるシンポジウム「再生可能エネルギー20%へのシフトは可能か?:欧州の経験から考える」を聴講した。

現衆議院議員をはじめ、駐日欧州連合代表部、駐日フランス大使館の、環境関連分野に従事している6人がスピーカー兼パネリストとして参加した。日本の「総電力量に占める再生可能エネルギーの割合を2020年までに20%にする」という目標達成が可能かどうか、欧州の事例等から検討する貴重な講演会となった。

今、日本のエネルギー事情は、大きな転換期(パラダイムシフト)にあるといってよい。シンポジウムではまず、再生可能エネルギーをめぐる以下のような日本の現状が報告された。日本政府は、2010年に「エネルギー基本計画」を打ち出し、「2030年までに原子力エネルギーによる電力発電の割合を30%から50%へ」という目標を掲げていた。しかし、3月11日に発生した地震と津波による福島第一原発の事故を受けて計画は白紙に。そこで、注目されているのが、再生可能エネルギーの普及である。現在国会で法案審議されている「再生可能エネルギー固定価格買い取り法案」は、まさに、その普及の第一歩であるが、電気料金の値上がり等、家庭や企業の負担も避けられない。

また、再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電、地熱発電といった自然エネルギー)を導入するにあたっては、コスト面(初期投資・運用資金)、地元住民・自治体からの同意(風力発電などは、騒音といった問題に対する近隣住民の理解)、気候条件(供給の不安定化)といった、さまざまな懸念事項が浮上する。

                         
こうした日本側の見解に対して、再生可能エネルギーを導入することが、結果的に経済的効果や地域社会のメリットを生み出すというのが欧州側の考え方である。新エネルギー分野が拡大すれば、技術革新や経済の活性化が進み、新たな雇用が生まれる。また、当然のことながら、自然エネルギーの割合を増やすことで、温室効果ガス排出の削減や、化石燃料、原子力エネルギー依存から抜け出すことができる。

欧州連合(EU)においても「最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を2020年までに20%にする」という目標が掲げられている。そのためには、加盟国27カ国の共通認識と目標達成への推進力が極めて重要となる。そこで、欧州委員会は加盟各国に「国別再生可能エネルギー行動計画」の作成を義務づけ、目標達成状況の把握や、数値の見直し・明確化を徹底している。

 日本とEU諸国は、もちろんその規模も体制にも違いはあるが、再生可能エネルギーの取り組みに関して、日本がEU諸国から学べることといえば、そういった国家目標の明確化であり、それを推進していく力であると考える。

 

日本は一つの国でありながらも、国家目標に向けて国民全体が一つになる機会は残念ながら近年あまり見受けられないように思う。模範としてのEU諸国の姿勢を大いに取り入れていければ、日本のエネルギー事情ももっとよりよい方向へ進むのではないか、とセミナーに参加して強く感じた。(さくら)

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早稲田大学キャンパス

11月25日、早稲田大学で開催された国際セミナー『死刑制度:世界から見た日本』を傍聴した。日本で今年裁判員制度が導入され、裁判員による採決で死刑判決が出るなど、死刑制度のあり方に一般市民の関心が集まっている。会場では学生を中心に多くの聴衆が熱心に話を聞き、質問を寄せていた。

基調講演を行ったロジャー・フッド オックスフォード大学名誉教授は、ここ20年の世界の新しい潮流を具体的な数字を用いて説明した。つまり、1980年代終わりから、冷戦終結による東側諸国の体制移行、またアフリカの旧植民地の国々の民主化、そして国際的な取り決めによる人権の尊重といった要素により、死刑制度を正式に廃止している国は今や世界の3分の2以上となり、制度上はあっても執行していない国々の数も増えているそうだ。

英国NGOで死刑囚の人権擁護のために活動を行っている弁護士は、死刑制度では、判決が出てから何十年にもわたって監獄の中で執行を待つこと自体も残酷だとし、この制度があらゆる面で非人道的だと説明した。

死刑制度の研究者、布施勇如{ふせ・ゆうすけ}氏は、日本で採用されている絞首刑が合憲かどうか(残虐な刑罰に当てはまらないのかどうか)の議論さえもないことを指摘、節度ある執行方法かどうかを基準とした米国の例をあわせて紹介した。

参加者から出た死刑の犯罪抑止効果についての質問に対し、多くの犯罪は後先を考えずに犯される場合が多く、死刑になるから犯罪を犯さない、という論理はなりたたないとのこと。一方で、死刑宣告を受けたいがために殺人を犯す例も少なからず起きており、その意味で死刑が逆に犯罪促進効果になっているとの話もあった。

ヨーロッパをはじめとする死刑制度廃止を求める考え方の根底にあるものは、有罪となった人の人権、人間としての尊厳を守ることである。どんな犯罪を犯したか、ということとは区別して考えており、今日では被告の死刑に反対する被害者家族の団体もあるそうだ。死刑はまた別の遺族を生むだけだ、との考えがそこにはある。

現場を知る専門家の話を聞き、私自身、法律上の刑罰とはいえ、人の死を他人が決めるということについて、真剣に議論すべきだと感じた。 (みかん、写真も)

EUIJ早稲田
http://www.euij-waseda.jp/news/the-death-j.html

The Death Penalty Project
(死刑判決を受けた人々の人権の促進、擁護に取り組む英国の非政府組織)
http://www.deathpenaltyproject.org/

死刑廃止デーのEUの声明(2010年10月8日)
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2010/101008.html

EUの日本での死刑執行についての声明(2010年7月28日)
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2010/100728b.html


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