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2011年3月2日、外務省の招待で来日した、エストニア、ラトビア、リトアニアの科学技術政策担当者によるセミナーが日本科学技術振興機構と外務省の共催で開催され、「産学連携とイノベーション」がテーマとなった第2部を傍聴した。印象に残った各国の昨今の事情を紹介したい。

エストニア国内の研究投資を分野別に見ると、2009年は36%が情報通信分野に向けられ、主要産業であることが見て取れる。一方で、同分野への外国直接投資は2010年9月時点で3.3%のみ。エストニア政府は産学連携を推進し、より創造的な経済の創出を目的として、中小企業向けに1社当たり3,200ユーロ相当のヴァウチャー(券)を発行し、研究機関のサービスを利用するよう推奨している。2010年春の評価では、90%の参加企業が協力関係を継続したいと回答した。(テア・ダニロフ経済通信省経済開発局長の発表より)

ラトビアの技術革新には歴史がある。例えば、1937年に世界最小と発表されスパイカメラとも呼ばれたミノックスカメラはラトビアで開発されたもの。そして今日では、製薬会社と研究機関の連携などにより、過去5年間で270以上の特許が登録されている。そうした最先端分野の一つに挙げられるのは、MADARAの有機化粧品だ。国際有機認定基準「エコサート」を取得しており、日本でも入手できる。(ヤーニス・スタブルニエクス ラトビアン・テクノロジカル・センター所長の発表より)

リトアニアでは、研究基盤の拡充に重点を置き、GDPにおける研究開発費の比率を上げることを目標にしている。レーザーや光技術、バイオ技術、持続可能化学やバイオ薬学、アグロバイオテクノロジーや生物エネルギー、海洋環境などの研究拠点として、5カ所のバレー(研究都市)を発展させていく計画だ。日本企業との連携も歓迎するそうだ。(ネリヤ・プチナイテ教育科学省副大臣の発表より)
(みかん)

日本科学技術振興機構
http://www.jst.go.jp/

外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html

MADARA
http://www.madara-cosmetics.lv/intl/

MADARA取扱業者「WAYS SHOP」

先日、ノーベル化学賞の受賞が決まった根岸英一教授、鈴木章教授は、記者会見で「若者は海外に出よ」「若い人もがんばれ」 と呼びかけた。日本人研究者が海外に行きたがらなくなっていることは、最近よく耳にする話だ。

そんな折、「知識源のグローバル競争における日独戦略的パートナー 協力進化の展望と可能性」と題して、日独の産学界から代表者を招いて東京で開催されたパネルディスカッションを傍聴した。

技術力や品質の高さへの追求など、共通する強みを生かし、日独が連携して研究を進めていくことが期待されている。そのためにはどのように目標を定め、進めていけばよいのだろうか。

パネリストのひとり、東京大学の濱田純一総長は、安定した時代は、経験豊かな教授の指導の下で若い研究者が学んでいくのが学問の世界では主流であったが、この時代には、変化に柔軟に対応できる若い人たちに活躍の機会を与えていくべきである、と発言。

日本学術振興会の小野元之理事長も、早急な研究成果を求めがちなトップダウンの支援ではなく、蒔いた種の中から将来性のある芽が出そうな研究を見抜き、若手研究者のイノベーションが製品化まで結びつくようなボトムアップ式支援の重要性を強調した。

ドイツでは既に、例えば製薬企業が実際に医薬品開発に学生を参加させて、製品化に役立てる試みがあるそうだ。高齢化社会など両国が取り組む課題について、文化の違いも研究チームでうまく生かしつつ、産学が協力していける環境が整うとよいと思う。(みかん)

ドイツ 科学・イノベーション フォーラム
http://www.dwih-tokyo.jp/ja/

欧州統計局によると、R&D(研究と開発)投資と研究人材においてフィンランドは欧州でトップに入ります。今後も国の発展には、専門知識の充実とイノベーションが益々重要になるとして、“新イノベーション戦略案”が策定され、2008年10月に、マッティ・ヴァンハネン第二次内閣で承認されました。

フィンランド国内では、産業クラスターを刷新することを目的に科学・技術・イノベーション戦略センターが活躍の場を広げています。同センターの支援を受け、2006年に森林クラスターが2030年までに製品とサービスの価値を倍増させる目標を掲げてアジェンダをまとめ、Forestcluster社がイニシアチブを取って研究プログラム実現のための活動を始めました。それから、金属製品と機械工学、建築環境、ICT部門、エネルギーと環境、健康と福祉、と支援対象クラスターが増えています。

同国では今、民間企業は不景気のあおりを受けて、国際的企業であるノキアですら研究開発拠点を閉鎖する措置を取っているほど。それでも、官民のパートナーシップによる長期的な対策は取られていて、これからも国際競争力に磨きをかけようとしています。(くるみ)

http://www.tekes.jp/0806.html

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090212/165559/


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