こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

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技術や発明を原動力にすることを目指して、最近、耳にすることが多い特許のニュースですが、特許の起源について思い起こしてみました。世界で初めて特許制度がスタートしたのは、1474年のイタリア ベネチア。ユダヤ教徒やイスラム教徒などと交易が盛んだった海上都市ベネチアは自由な気風を生み出しており、芸術活動も盛んで、印刷機も発達した情報都市でした。レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)がアイデアをノートに書き溜めて非公開にしていた時代風潮の逆発想で、そのアイデアを公開することで権利を保障したのが“ベネチア特許法”です。ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)も灌漑用装置で特許を取得。特許制度を背景に、経済と文化が繁栄しました。

続いてイギリスにおいて、1623年に専売条例という現在の特許制度の基本的な考え方が明確化されて近代の特許制度が発展しました。(飯田幸郷/2003年/英文明細書翻訳の実務/発明協会)これは、技術の保護を目的に、新規事業を始めた人が一定期間、その事業を独占できるものです。ジェームズ・ワットの蒸気機関、アークライトの紡績機などの発明に対して特許が認められ、機械産業が発達していきました。

フランス最初の特許法は1791年、ドイツは1877年(明治10年)です。日本は1885年(明治15年)4月18日に「専売特許条例」が公布され、その記念に、同日は「発明の日」とされています。ルネサンスや産業革命、新政府の始まりなど、時代の幕開けとともに、特許も起動力になってきたのですから、これからの時代も見逃せません。(くるみ)

http://www.oit.ac.jp/ip/property_lab/ishii/data/pdf/09kaki.pdf

http://www.tokugikon.jp/gikonshi/236kiko3.pdf

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2010年までにEUを競争力ある経済圏にしようとする戦略の一環として、2007年に提言されたEUにおける特許制度の一元化がこのほど、合意されました。特許紛争の処理にあたるEU特許裁判所も創設されることとなり、特許においても欧州統合が進みます。

現在、ヨーロッパでの特許取得には、アメリカや日本と比べて大幅な費用がかかると言われています。外国で特許申請をする場合、それぞれの国に“直接出願”する以外に、“パリ出願”“PCT出願”と呼ばれる国際条約に基づいた方式があります。さらに、ヨーロッパにおいては、“EPC”と呼ばれるものもあります。

“EPC”は、1973年にミュンヘンで調印された欧州特許条約。欧州における特許手続きを一括化するため、ドイツにある欧州特許庁に出願して認められた特許は、そのまま欧州の主要国で特許が認められたことになります。ドイツ語、英語、フランス語で出願可能で、特許が認められた後、権利取得したい国の言語で翻訳文を提出すればいいのです。

ただ、EPCはEUの司法権が及んでいないため、同じ案件の特許裁判が複数国で同時に行われるケースも見られます。産業界に期待される“欧州共通の特許”がスタートするためには、EU広域にわたる司法制度に取り組む必要がありますが、これは早ければ今後数年のうちに開始されるという明るい見通しも出ています。

欧州特許庁は、米国特許庁、日本特許庁と併せて三極特許庁と呼ばれています。欧州で展開する企業にとっても好ましい影響を与えそうですね。(くるみ)

http://www.cqpub.co.jp/dwm/contents/0069/dwm006901500.pdf

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