こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

Posts Tagged ‘Worldcup

リオネル・メッシ、クリスティアノ・ロナルド、カカ、フェルナンド・トーレス‥‥。今回のワールドカップでも、天才的なひらめきと華麗なテクニックをもったファンタジスタたちが、テレビの前の私たちの目を楽しませてくれた。ドリブルで、パスワークで、ペナルティ覚悟で襲ってくるディフェンスを翻弄し、守備陣営をずたずたに切り裂き、オープンスペースを作っていく。すべてが得点に結びつく訳ではないけれど、彼らの動きを観ているだけで楽しくなってくる。それはスポーツ観戦というよりもアート鑑賞に近い感覚だ。

こうしたファンタジスタたちのプレイを観ていると、いつも思い出す選手がいる。彼らのプロトタイプ(原型)とも言うべき、ジョージ・ベスト(1946-2005)だ。北アイルランド出身のベストはワールドカップに出場したことはなかったが、マンチェスター・ユナイテッド(マンU)のフォワードとして一世を風靡した。

ベストは、1967-68年シーズンのリーグ戦で得点王になり、1968年の欧州カップ優勝の立役者となった。彼のプレイの特徴は、その審美的なスタイルにある。とにかく美しいのだ。当時のサッカー選手では珍しいロングヘアーをなびかせての、魔法の足さばきによる幻惑的なドリブル。果敢なアタックをみせるディフェンスを妖精のようにひらりとかわし、低い重心で移動する彼の肉体は倒れそうでいて決して倒れない。微妙なバランスを保ちながら勇猛果敢にゴールに向かっていく彼の姿は、未だに脳裏に強烈なイメージとして焼き付いている。

ベストが興味深いのは、同時代的に人気を博したビートルズにちなみ、「5人目のビートルズ」と呼ばれ、スポーツヒーローがアイドルとなる先駆者的な存在となったことだ。サッカーが今日のようにコマーシャリズムと一体化する以前に、スポーツセレブとなり、私生活までがマスコミに採り上げられる初めての選手となった。

その波乱に満ちた生涯は、川端康雄さんの書いた『ジョージ・ベストがいた』(平凡社新書)に詳しいが、選手生活を終えた後のスキャンダラスな生き様なども含め、20世紀のスポーツヒーローの一人だと言ってもいいだろう。
テニスボールでドリブルの練習をして、足技を磨いたベスト。現代のファンタジスタたちにも、ベストの遺伝子は脈々と生き続けている。(ロニ蔵)

http://d.hatena.ne.jp/lovelovesoccer/20070325

Advertisements

自由で活発な発言を歓迎します。

ただし書き込みをする際には、以下の行為は禁じられております。
・差別的なコメント
・フォーラムを荒らすような行為
・スパムメッセージ

このフォーラムの内容は欧州連合としての見解を示したものではありません。

October 2019
M T W T F S S
« Jan    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

Blog Stats

  • 303,645 hits

Top Clicks

Advertisements