こんなEU、あんなEU~日常に見るヨーロッパ | Life in the EU

Archive for April 1st, 2011

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  • Comments Off on 活版印刷の伝来 Legacy of the Printing Press

明治時代に使われていたという小学校の国語の教科書を見せてもらう機会があった。手にしっとりする感触の上質紙が使われていて、筆で書かれた文字と絵が印刷されている。今の教科書よりも趣があって、書物のクオリティを感じさせる。見ているだけで、国語を学ぶということの重みが伝わってくる。見慣れていないせいか、印刷されているという感覚が瞬時に沸いてこなかったけれど、明治時代から、日本では活版印刷技術が広く使われるようになっており、教科書も印刷されていたのだ。

活版技術とは、印字の部分が一段高くなっていて、そこにインクを付けて転写させる方法のこと。これは、中国の宋(10~13世紀)の時代に最初に発明されたと言われている。西洋では、15世紀半ばに、グーテンベルクが活版印刷技術を集大成させた。日本には16世紀、キリスト教普及のために、イエズス会によってキリシタン版というローマ字、漢字、かなの印刷物が刊行された歴史がある。イエズス会は、来日の際に、欧州で印刷術を習得した少年を同行させて、活版印刷機も持ち込んだ。1951年に最初のキリシタン版「サントスの御作業の内抜書」(欧州での各種聖者伝の抜萃)が出版され、今日まで、29種目のキリシタン版が発見されているという(「選択」3月号)。外国人宣教師が日本語や日本史を学ぶために「平家物語」や「伊曾保物語」も出版されていたようだ。
(くるみ)


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