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今年開港150周年を迎えたミナト横浜には、「・・・発祥の地」という場所が数多く存在する。それは、江戸時代末期の開国で最大の対外的窓口となり、西洋人が多く住んだことと大いに関係がある。本場ドイツビールを最初に作った場所も横浜市中区の一角にあり、今でも石碑が立っている。
1870年に横浜で最初にビール醸造所を造ったのは、実は欧州人でなく、ノルウェー系米国人のウイリアム・コープランドだ。ただ、彼はドイツ人にビール製法を学んでおり、ドイツ人職人を工場に招いている。そのために、英国産よりも苦味が少なくて飲みやすいラガービールが主に作られた。
この醸造所はのちに、幕末の政商として有名なT・B・グラバーや岩崎弥之助、渋沢栄一ら壮々たる人物が資本参加して設立されたジャパン・ブルワリー社に買い取られ、商品名「キリンビール」というラガービールを発売した。
このビールは大ヒットし、商品名はそのまま会社名となって現在に引き継がれている。現在のキリンビール社は今も横浜市鶴見区生麦に大工場を持ち、発祥の地とのつながりを切っていない。
だが、キリンビールはあくまで全国流通の銘柄。自治体の横浜市は、発祥の地という矜持にかけて、再びこの地独自のビール作りを模索し始めた。1994年、ビールの小規模醸造所も認めるという政府の方針転換を受けた動きだが、それにこたえて誕生したのが地ビール「横浜ビール」だ。
横浜ビールの工場は、ベルギービールの味が好きで、ついにかの国までビール修業に出かけてしまったという人が醸造責任者を務める。明治時代であろうと、21世紀になろうと、やはり横浜の地ビールはヨーロッパの味とは切り離せない。(日暮らし)
キリンビール
http://www.kirin.co.jp/company/news/13/060420a_1.html
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/hatena/CK2007121302071909.html
Excite コネタ
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091133950265.html